Vol.101「夜間尿」

Q.78歳女性
今年になって夜中に度々トイレに行くようになりました。ひどい時には2回、3回も行きます。おかげで睡眠不足から、朝起きても疲れが残っている感じです。また以前は暑がりでしたが最近は足腰も冷えて、腰痛にも悩まされるようになりました。自分のまわりの友人たちからも同じようなことをよく耳にします。年のせいかと諦めていますが、少しでもこの辛い症状を改善してくれるようなものはありませんか?

A.夜中の度々のトイレは毎日の事ですから辛いものですね。年齢とともにほとんどの人が頻尿や尿漏れ、夜間尿で悩まされるようになります。一般的に60歳を過ぎる頃から萎縮腎や膀胱萎縮が始まり、毎年若い頃に比べ1%ずつぐらい働きが低下してゆきます。
また膀胱括約筋を引き締めるバソプレッシンというホルモンも分泌量が減り、少しの刺激で尿意をもよおしてしまいます。
漢方ではこれらの症状を腎虚の証と考えます。腎虚の症状は尿の不調以外にもめまい、耳鳴り、脱毛、歯の動揺、健忘、動作緩慢、腰や膝がだるく力がない、なども伴うようになります。
さらに進み腎陽虚になりますと、温煦作用(体を温める働き)が低下し気力がない、いつも眠い、寒がる、腰や腹、手足が冷える、頻尿、尿量過多、夜間多尿などもみられるようになります。
今回のご相談では78歳で夜間多尿、下肢冷え、腰痛ですね。補腎剤の八味地黄丸や牛車腎気丸、右帰丸、鹿茸大補湯などがいいでしょう。また肛門括約筋や膀胱括約筋を引き締める補中益気湯や黄耆建中湯を併用するとより効果があります。泌尿器科や漢方薬の専門の先生に相談してみて下さい。
老化は誰にも避けられないものですが、少しでも健やかに過ごしてゆきたいものですね。

PAGE TOP