Vol.67「肥満」

最近、テレビやチラシで「私はこれで15キロやせました」とか、「みるみるやせる」などといった広告が目立ちます。女性はいくつになっても「やせる」という魔法の言葉に敏感に反応しているみたいですね。今回はこの「肥満」のお話です。

やせる方法を紹介する本は昔も今も数限りなく出版されてきました。〝楽してやせる〟方法です。でも本人の努力なしでは無駄になることが多く、リバウンドもよく聞きます。

ホルモン異常や遺伝以外はほとんどが単純性肥満で、消費エネルギーより摂取エネルギーが多いため、余ったエネルギーが脂肪となって体内に蓄積されるのです。結果として標準体重より20%オーバーが肥満と言われます。

「標準体重(キロ)=(身長―100)×0・9」ですからダイエットの基本は、やはり食事療法と運動です。

甘い食べ物や乳製品、油物などは控え、ごはんやパン、麺類などの主食を少なめにしておかずを多くとる。野菜や海藻類で食物繊維をたっぷりとって、味付けは全体的に薄味にする。そして、よくかむ。その上でゆっくりとした筋肉の動きを伴う運動を毎日続けます。早歩き、ジョギング、水泳などが続けやすく効果がありますが、毎日4キロを40分くらいで歩くようにすると、なおさら効果的です。

また、減量目標は1カ月で1~2キロがよいのではないでしょうか? 急ぎ過ぎて生理が止まってしまう、拒食症になってしまうなどのさまざまな弊害もありますから。

最近は時々、子どもの肥満のご相談もありますが、子どもは成長期の過食によって体内の脂肪細胞が異常に増え、その中に中性脂肪を取り込みます。大人になってもその数は減りません。そのため、やせにくく、肥満児の6割以上が太ったまま大人になってしまうのです。ミルクの飲ませ過ぎや甘いものの与え過ぎが要因と言われています。

しかし、本人の意志と努力でかなり改善するはずです。大人でもやせにくい人は、このタイプの体質と思われます。

さて、肥満体質はいずれにしても心臓や血管、肝臓などに負担をかけ糖尿病や高血圧、関節痛などの原因になりかねません。食事療法、運動療法に加えて漢方薬を試してみてください。よい効果が得られるはずです。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)…汗かきでむくみやすい人の水太り体質に。

大柴胡湯(だいさいことう)…高血圧や高脂血症体質で、かた太りタイプの人に。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)…便秘がちで腹部に皮下脂肪の多い脂肪太りの人に。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)…冷えのぼせがあり、頭痛、肩凝り、月経異常がある女性に。他の漢方薬としての併用にも。

少しふっくらしているぐらいの女性の方が魅力的ですね。

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