Vol.139「喘息(ぜんそく)」

Q.息子の喘息発作に悩んでいます。2才の時に初めて発作を起こし、特に台風の日やお兄ちゃんと騒いで遊んでいる時など、ことしに入ってから頻繁に起こるようになり吸入薬が手離せません。夜間も眠りが浅く、息苦しくなり目が覚めてしまうこともしょっちゅうで心配で見ていられません。少しでも楽に過ごせるようにしてあげたいです。他にはアトピー性皮膚炎と食物アレルギーも持っています。
 ご相談にのっていただけますでしょうか。(4歳男子の親)

A.今回はアレルギー体質のお子さんの喘息ですね。この病気は気管支粘膜にアレルゲンが侵入し、突如発作が起こります。アレルゲンは人それぞれで違いますが、よく発症するのは動物のフケ、カビ類、食べ物では牛乳や卵、小麦などで、化学物質、化粧品、ホルモン剤、抗生物質なども多いようです。また、冬では気温の5度以上の変化で気管支が刺激されて、よく喘息を引き起こします。このアレルギー性気管支炎は、発作が起こると時には呼吸困難に陥り寝ることもできずに一日中、壁にもたれて苦しむようになることもあり、大変つらい病気です。そのような時にはステロイドホルモン剤で喘息をしのぐことも必要です。
 さて漢方では、昔から中焦(ちゅうしょう)の病(肺~胃)には小柴胡湯(しょうさいことう)がよく用いられてきました。この小柴胡湯は素晴らしい抗アレルギー作用をもっています。同時に咽頭付近に症状がある場合(扁桃炎、気管支炎、喘息、百日咳、咽喉刺激感など)には半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を併用します。この小柴胡湯合半夏厚朴湯が喘息体質の改善薬です。この他にも薬用人参や霊芝(れいし)なども知られています。喘息は発作時と緩解期(かんかいき)に分けて治療が必要です。
 急性期で風邪の後など、2~3日して咳や痰が多く、よく耳をそば立てて聞いているとヒューヒュー、ゼイゼイというような場合は小青竜湯(しょうせいりゅうとう)を、顔を真っ赤にして激しく咳き込む時には五虎湯(ごことう)を飲ませてください。これを服用すると少し呼吸が楽になります。2~3時間してまた苦しそうな呼吸に戻ったら再び飲ますというように徹底的に発作を鎮めるようにします。
 さて冬は特に喘息が起こりやく、注意が必要です。ぜひこの小柴胡湯合半夏厚朴湯で体質を改善していきましょう。

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