Vol.128「にきび様湿疹」

Q.3年ほど前から繰り返す顔のにきびと体のかゆみに悩んでいます。頬(ほお)から顎(あご)にかけてにきびが広がり肌が赤く腫れて、痛くて日焼けをすると一層赤みが強くなります。体は肩や胸、脛(すね)などあちこちかゆく、特に汗をかいた時や夜に寝入った後も無意識にかきむしってしまい傷だらけになります。3歳の頃にはぜんそくもありました。顔や体にステロイドホルモン剤を毎日使い続けることも不安です。
 また生理痛がとてもきつく、不順でもう3カ月も止まっているのですが、これも何か関係があるのでしょうか? (10代女性)

A.にきびは「青春のシンボル」とか「若さの証明」などと言われているうちはよいのですが、重症になると大変です。特に若い女性の場合は深刻で精神的、肉体的に想像する以上に苦痛を感じています。
 今回のご相談は、アレルギー体質で皮膚神経過敏症、生理不順、生理痛、にきび、ですね。この女性は「面皰(めんぽう)」という黒い点(脂肪のかたまり)が見られません。このにきびによく似た症状が女性の頬(ほお)から顎(あご)のまわりに現れることがありますが、これは女性ホルモンの異常から起こる生理疹と考えられます。特に生理前の高温期に多発します。ですので治療の目的は自律神経が調節している女性ホルモンを整えて、生理不順を治し、生理痛を無くしていくことです。
 またこの女性はアレルギー体質で神経過敏皮膚炎もあります。外からのステロイドホルモン剤や抗生物質の治療では繰り返し発症し治りきらないでしょう。体の中から治していきましょう。
 この方には、女性の血の道症を整える折衝飲(せっしょういん)(当帰芍薬散合桂枝茯苓丸(とうきしゃくやくさんごうけいしぶくりょうがん))がいいでしょう。また、アレルギー体質で神経過敏を治していく小柴胡湯(しょうさいことう)(または加味逍遥散(かみしょうようさん))を合わせて服用するとより効果的です。ぜひこの加味逍遥散合折衝飲を数カ月服用してみてください。生理痛が楽になり生理不順、冷え、便秘なども改善されるはずです。それと同時に生理疹も出なくなりお顔もきれいになっていくでしょう。
 女性ホルモンは夜の11時~2時ごろに多く分泌されるそうで、睡眠不足や長引くストレスで乱れやすくなります。また甘い物や脂肪分の取り過ぎも控えめにしましょうね。

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