Vol.117「膀胱炎」

Q.5~6年前から我慢できないほどの切迫感から頻繁にトイレに行くようになり、おしっこをした後にもわっと気持ちの悪い違和感に悩んでいます。症状がひどい時は病院へ検査に行くのですが、無菌ですよと言われてしまいます。急にトイレに行きたくなることが多いので、外出する時は特に不安で仕方ありません。また寝た後も何度もトイレに行きます。精神的にもいつもイライラしています。少しでもこの症状を和らげるようなお薬はありますでしょうか? (67歳女性)

A.膀胱炎は特に女性に多い病気で、女性なら誰でも一度や二度は経験しているでしょう。
 一般的に膀胱炎と言えば尿道からの大腸菌の侵入による感染で、抗生物質やサルファ剤などで対応しますが、意外と知られていないのが今回のご相談の過敏性膀胱炎です。尿の検査では異常がないのに菌性膀胱炎と同じように頻尿、尿意促進、排尿痛、排尿後の下部不快感などの症状が起こります。原因は精神的緊張や疲労、自律神経失調症などが多いようですが、最近は少子高齢化で高齢者の萎縮性膀胱炎も多くなってきました。下半身が冷えやすくなり、冷えると膀胱炎を繰り返すようです。さて、ご相談者は67歳女性で、60歳ごろからたびたび無菌性膀胱炎に悩まされてきたようですね。この方には神経過敏膀胱炎に用いる加味逍遥散(かみしょうようさん)がいいでしょう。
 夜間尿も多いようですので牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)も併用してください。今回は加味逍遥散合(かみしょうようさんごう)牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)がいいと思われます。この漢方薬は神経の緊張症も夜間頻尿も治してくれます。体質虚弱で疲れやすく、貧血、冷え性、むくみなどの人には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)がいいでしょう。また尿量が少なく排尿痛と残尿感を訴えるときは猪苓湯(ちょれいとう)を用います。特に排尿痛が強い時には芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)を併用して服用するとよく効きます。さらに新陳代謝が低下し、下肢が水中に座っているかのように冷えの強烈な人の膀胱炎には苓姜朮甘湯(りゅうきょうじゅつかんとう)がよく用いられます。
 この膀胱過敏症になる人は性格が真面目で精神的ストレスに弱い人が多いようです。少しずぼらぐらいがちょうどいいんでしょうかね。

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