Vol.109「腰痛」

Q.(55歳男性)10年ぐらい前から腰痛で悩んでいます。最近では車の運転や庭仕事など長時間の作業はつらく、また歯みがきや日常生活も痛みを我慢しながらこなしています。整形病院では骨に特に異常は無いとのことで、とりあえず鎮痛剤と安定剤を処方され服用を続けています。時々リハビリにも通いますが、相変わらず痛みがとれません。原因がわからず、今後痛みがもっとひどくなるのではないかと心配です。良い漢方薬があれば教えて下さい。

A. ぎっくり腰などから腰痛で長年悩まされ続けてきた人は多いのではないでしょうか。昔から腰痛は老人の病気と言われてきましたが、最近は若い人達にも増えてきています。原因は骨や筋肉の異常として扱う外科的なもの、肥満や冷え、胆石や腎石、ストレス性など色々あります。いずれにしても腰部への血行障害が原因です。慢性化すると鎮痛剤や神経ブロック注射などの保存療法では間に合わず手術を勧められますが、完治するとは限りません。
 さて、東洋医学では「不通則痛」という考え方をします。痛みは何かの原因で(冷えや血瘀、水毒、気滞など)患部の血行が悪くなり痛みが発生するというものです。漢方では様々な痛みに対して体の根本から治してゆきますが、この腰痛も例外ではありません。難治性の腰痛でも漢方薬で治ってしまった例はよくあります。この相談者は骨や体の他の部分に異常は無く、年齢も55才ですので、原因は心因性腰痛ではないでしょうか?
 まず中国で明の時代から使われてきた漢方薬の疎経活血湯がいいでしょう。腰痛の他には慢性リウマチ、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、寝違いなどにもよく用いられます。また冷え(特に下半身)があり、痛みが強い時には芍薬甘草附子湯を併用します。もし体力がなく腰から下に力が入らず夜間尿などの排尿異常のある中高年なら八味地黄丸がいいでしょう。慢性化した人には桂枝茯苓丸が有効です。他には五積散や独活寄生湯も症によってはよく用いられます。
 いずれにしても内から患部を温め、和らげれば血行がよくなり痛みが薄れてゆきます。近年デスクワークなどで、長時間同じ姿勢を続けることから腰痛を訴える人が多くなっているようですね。

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