Vol.85「鼻たけ(鼻ポリープ)」

 3月、桜の開花も始まり春らしい日も感じられるようになりましたね。同時に花粉症の季節でもあります。くしゃみ、鼻水、鼻づまりでお悩みの方も多いと思われますが、今回は鼻たけのお話しです。
昔から鼻たけは慢性鼻炎や蓄膿症(副鼻腔炎)によるものが多かったのですが、最近はアレルギー性鼻炎による鼻たけもみられます。症状は鼻の中にできる人差し指くらいの大きさの、キノコ状かブドウ状のポリープで、空気の通りを妨げるため強い鼻づまりを起こします。大きくなると鶏卵くらいになってのどの奥のほうまで垂れ下がり、呼吸が苦しくなります。原因は鼻腔内の分泌物の刺激やアレルギー反応の一種という説などがありますが、まだ特定されていません。現代の治療法はステロイドホルモン剤の噴霧治療ですが、結果的にはほとんどが手術で取り除きます。しかし鼻たけは抜いても抜いても出てくる雑草と同じで根本的な手術を行っても再発することが多いようです。鼻たけは腫瘍ではありませんからそれ自身は悪性ではありませんが、特に片方のみがガンコな鼻づまりには腫瘍の場合もありますので注意します。
また慢性鼻炎や鼻たけ等を伴う視力低下や視野狭窄、眼痛などを鼻性視神経炎とよびますが、副鼻腔炎が、隣にある視神経に及んだもので眼科ではなく耳鼻咽喉科での治療になります。
 さて漢方では部分を見て体全体を考え、処方を決めます。ですので鼻たけのみならずポリープ体質の改善を促し、根治を目指します。鼻腔の充血やうっ血を去る駆瘀血剤、鼻粘膜のむくみ(水毒)をとる利水剤、頭部の血行をよくする理気活血剤などを併せ用いて再発しない体づくりを考えてゆきます。ですので、蓄膿症やアレルギー体質も含めての治療になります。
手術を受けようかどうか迷っている場合にはぜひ一度漢方薬を試してみて下さい。
 
それでは代表的な漢方薬をご紹介します。

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)・・・・・・・・蓄膿症や慢性鼻炎に最もよく用いられ、肩こり、頭痛、鼻づまり、後鼻漏などの強い症状の人に。

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)・・・・・・・・・・・濃い鼻汁が出たりのどに入ったりするような人で慢性の蓄膿症や鼻たけの改善に。

小柴胡湯(しょうさいことう)・・・・・・・・・・・・アレルギー体質の改善薬として用いられる。

十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)・・・・・・・・・・・体力が落ちて貧血や疲労がひどい人に。

人知れず鼻づまりで頭痛やにおい、味がわからず悩んでいる方も多いようですね。

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