Vol.45「腰痛症」

ぎっくり腰などから腰痛で長年悩まされ続けてきた人は多いのではないでしょうか? 昔から腰痛は老人の病気と言われてきましたが、最近は若い人たちにも増えてきています。

原因はいろいろで単なる骨(骨盤の上にある5つの腰椎)や、筋肉の異常から発生したとして扱う外科的なものだけでは十分とは言えません。風邪引きで腰痛を起こしたり肥満や冷え、胃十二指腸潰瘍、胆石、腎石ストレス性腰痛などもよく聞きます。

いずれにしても、腰部への血行障害が原因です。治療法として急性の場合は、慌てて病院へ行くより、とりあえず安静を保つ方が賢明です。ふわふわのベッドはいけません。堅めのせんべい布団の方が楽です。

また、マッサージや指圧などをしてはいけません。かえって悪化させます。数日間、痛む腰の筋肉を温め、ある程度おさまったら腰をゆっくりと曲げ伸ばしして固くなった筋肉をほぐすようにします。それでも痛みが取れないなら、病院などでけん引や温熱療法をしてもらいましょう。

腰痛が慢性化すると腰椎の椎間板ヘルニアに進行し、痛みしびれが強くなって、神経ブロック注射などの保存療法では間に合わず、手術を勧められます。しかし、完治するとは限りません。できるだけ早めの治療を心掛けましょう。

さて、漢方では全体像をとらえながら、さまざまな痛みに対して体の根本から治していきますが、この腰痛も例外ではありません。難治性の腰痛でも漢方薬で治ってしまった例はよくあります。それでは代表的な漢方薬をご紹介しましょう。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)…突発的にぎっくり腰になって耐え難いほどの痛みに鎮痛の目的によく用います。冷えの強い人には附子(ぶし)を加えて芍甘附子湯とします。

疎経活血湯(そけいかっけつとう)…運動や重い物を運ぶ仕事などで、腰に無理な力が加わり慢性的に繰り返す腰痛や足のしびれに。

八味地黄丸(はちみじおうがん)…体力がなく、腰から下に力が入らず、夜間尿などの排尿異常のある中高年以上の人の慢性腰痛に。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)…腰の部分に冷感を伴い、冷えると痛みが強くなり、お風呂などで温めると楽になるという腰痛に。

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)…日頃から体力がなく、まるで水の中につかっているように腰から下が重く冷える人に。

近年パソコン等のデスクワークなどで長時間、同じ姿勢を続けることから腰痛を訴える人が多くなってきているようです。人類が直立歩行を始めてから、痔と腰痛は長い友達ですね。

PAGE TOP