Vol.23「尿路結石」

残暑お見舞い申し上げます。記憶にない程の猛暑が続いていますが夏バテ気味の方も多いのではないでしょうか?夏バテ解消法は何といっても睡眠です。冷たい飲み物を控え、消化のよい食事と質のいい睡眠を心がけましょう。

今回は夏に多い「尿路結石」についてお話します。この尿路結石の痛みは強烈で、あまりの痛さに我を忘れる程です。鎮痛剤のブスコパンや手術などに頼らざるを得ない時もありますが、ほとんどの場合、再発生します。やはり体質を改善して予防することが大切です。結石はある程度からは大きくならず、一生涯気付かずに過ごしている人が大半ですが、小さい結石がかえって厄介で、何かのはずみで腎臓から出て尿管につまり、血尿や排尿障害を起こしたり脇腹から背部に疝痛を強く感じ、膀胱や外陰部に激しい放射痛が走ります。特に横になると痛み出す場合が多いようです。

この結石の90%以上がシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムですが、腎孟付近で赤ちゃんの手のような形ほど大きくなるシスチン結石を持っている人もいます。原因は、カルシウム食品の摂りすぎや高カルシウム血症、低リン血症、ビタミンDの接食過剰など言われていますが、はっきりとは分かっていません。

さて尿路結石の治療には漢方薬が大変有効です。特に粘土やロバのひづめなどを配合した猪苓湯という薬方が著効を現すことしばしばです。早い人なら3から4日で血尿が止まり、白濁した小便とともに石が溶けて出ることもあります。またウラジロガシやカキドオシなどの民間薬も素晴らしく効きます。結石のできやすい人は予防のため一年間のうち1から2カ月飲んでみてください。ほとんど起こさなくなります。それではいくつか漢方薬をご紹介します。

猪苓湯(ちょれいとう)…尿の出が悪く血尿や排尿痛がある人。症状がとれた後も続けて再発予防に。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)…結石による疝痛発作時に服用します。

大建中湯(だいけんちゅうとう)…腸がモクモクと動いているような発作時の痛み効果があります。

八味丸(はちみがん)…老人の結石で軽い疝痛発作をくり返す人に。

結石は手術をする前にぜひ漢方薬を試してみてください。手術のない時代、昔の旅人は突然の発作疝痛を治すためにいつも印籠の中に熊胆(クマの胆のうの丸薬)を携帯していたそうですよ。

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