Vol.13「便秘」

三日以上排便がなく、便が長時間大腸にとどまっているのが便秘です。特になにも原因がないのに便秘が続く場合を常習便秘といい、かたい太い便が出る弛緩性便秘と、コロコロとしたウサギのフンのような便のれん縮性便秘とに分けて考えられています。近年、日本人に非常に多く、ひどい人は一週間以上も排便がないということもあります。治療のために合成薬品(塩類下剤)を用いますと、腹痛、水様便などを伴います。また次第に薬剤耐性ができ、使用量が増える傾向にあります。この点漢方薬は、おだやかに効き、腸管運動の安定化とともに使用量が減ってゆき半年から一年で治ってしまう場合が多く見られます。

便秘になる原因はいろいろあります。まず朝、便意をもよおしてもすぐトイレに行かずにがまんしてしまう生活習慣。次に繊維質の少ないやわらかい消化のよいものばかりを食べる食生活。水分の摂取不足、運動不足による血液循環の悪化。さらには精神安定剤などの薬物服用による腸管神経麻痺の便秘、痔による排便痛を避けるために自ら便意を抑制してしまう便秘。冷え性の人や老人の腹筋が衰弱したためにおこる便秘もよくききます。

便秘が続くと、肥満、ニキビ、シミの原因になるだけでなく、疲れやすく、胃腸や心臓、肝臓にも悪影響を及ぼします。また頭痛、めまい、注意力の減退、ひいては動脈硬化の進行なども早まります。排便はありがたいですね。

便秘治療は漢方薬の得意分野です。自分に合った漢方薬を飲んで便秘体質を改善してしまいましょう。それではよく効く漢方薬をご紹介します。

大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)…体力の強弱に関係なく便秘以外に目立った症状がない人に。

桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)…腹部の膨張感があり、排便前に腹痛を訴える人に。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)…冷え、のぼせ体質で、女性では月経障害などがあり、頭痛、肩こりが強い人に。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)…主にガスがたまりやすく、おへそを中心にかたくなって痛む便秘に用います。小児に多くみられます。

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)…腹部に皮下脂肪が多く、肥満体質で、肩こり、のぼせなどの人に。

調胃承気湯(ちょういじょうきとう)…一般的ではあるけれども割とがんこな便秘の人に。

麻子仁丸(ましにんがん)…老人などで便が乾燥して硬く、塊になっていて、小便の回数の多い人に向いています。

便秘の漢方薬はこのほかにもたくさんあります。民間薬ではクマ葉やアロエ、センナ、ドクダミなども効果があります。

さて便秘についていろいろと述べてきましたが、お金はためても便はためないで、すっきりと出しましょう。快眠、快便は健康の基本ですからね。

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