アトピー性皮膚炎

アトピーとは不思議なという意味です。現在もはっきりした理由は分かっていませんが血液中にIgEという原因物質が異常に多いことだけは、分かっています。かゆくて夜も寝られず、かきむしっては再び悪化し、朝おふとんが膿と血で汚れているということをくり返します。イライラして気分が落ち着かず性格まで暗くなってしまいます。現在、一般的な治療法としてはステロイドホルモン剤と抗ヒスタミン剤、それに保湿剤ぐらいの対症療法です。

これらの処置も苦痛の緩和になりますが、長期連用するとかえって皮膚の免疫抵抗力が弱くなり黒ずんでしまうことになります。本人自身も苦しいのですが、ご家族も大変つらい病気です。よく発症する場所は、首のまわり、顔、腕、ひざ、目のまわりなどです。また長期慢性化して全身がゾウの肌のようになっている場合もあります。

アトピーは単なるアレルギー疾患ではありません。生まれもった体質、外部環境、例えばダニ、花粉、黄砂、紫外線、ウイルスなどに影響され、毎日の食べ物にも大きく左右されます。特に精神的ストレスと非常に深く関係しています。神経質でイライラしやすく、落ち着きがない子どもさんに多くみられるのです。

さて、どうすれば、このやっかいな皮膚病を治していけるかですが、まずは体質改善が必要です。基本的には、たえず皮膚を清潔に保ち、汗をかいたらシャワー等で軽く洗い流す▽ふとんやじゅうたんも清潔にする▽夜は10時には寝るようにして、睡眠時間は9時間とるように心がける▽チョコレートやケーキのような砂糖やミルクのたっぷり入ったお菓子をやめ、脂肪の多い肉類も控え、缶コーヒーやインスタントラーメンはもってのほかです。そして和食を中心にして緑の野菜を多く取り、体の余分な毒素を取り去ります。

これら生活環境を改めた上で、自然治癒力を高め体質を改善する目的で漢方薬を服用すると素早く効果が表れてきます。大切なのは必ず治してみせるという強い決意と真剣な取り組みです。

乾癬

乾癬(かんせん)とは、慢性的な皮膚の病気。主な症状は、皮膚が赤くなって盛り上がる「紅斑(こうはん)」、そしてその表面が銀白色の細かいかさぶた「鱗屑(りんせつ)」で覆われて、やがてはそれがポロポロとはがれ落ちる「落屑(らくせつ)」があります。
日本には約10万~20万人の患者さんがいると言われ、発症する時期は思春期以降、または中年期以降が多くなります。

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)

乾癬には種類があり、最も多いのが尋常性乾癬で、一般的に乾癬といえば、この尋常性乾癬を指します。主に手足に分厚い鱗屑を付着した紅斑がみられます。

関節性乾癬(かんせつせいかんせん)

近年日本で増えつつあるのが乾癬性関節炎。関節炎を伴い、爪が変形すること(粗造化)もあります。尋常性乾癬を伴うこともあります。

滴状乾癬(てきじょうかんせん)

若い人に多く、水滴ぐらいの大きさの小型の皮疹が急に全身に現れるのが滴状(てきじょう)乾癬です。先行感染(溶連菌)の後などに急に皮疹が現れます。慢性経過の乾癬が存在していることも多いのも特徴です。

紅皮症乾癬(こうひしょうかんせん)

尋常性乾癬の皮疹が全身に広がり、皮膚全体の80%以上が赤くなった状態を紅皮症化(こうひしょうか)といい、尋常性乾癬を放っておくと乾癬性紅皮症に移行してしまうことが、まれにあります。

膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)

急激に全身の皮膚が赤くなり(紅斑)、その上に無菌性の膿疱が現れます。通常、尋常性乾癬を伴い、難治性であることなどから厚生労働省の難病に指定されています。

油状乾癬(ゆじょうかんせん)

境界線のはっきりとした紅斑が特徴。小さな水玉模様になって現れます。8~16歳までの少年期に一番多く、自然治癒することもありますが、一層悪化することもあります。

屈側乾癬(くっそくかんせん)

脇の下、乳房の谷間、生殖器、尻間など、皮膚が重なったりシワになっている部分にできやすい乾癬。鱗屑はできません。

当院での治療例

▼39歳男性 滴状乾癬

背中の炎症がひどい状態で来店されました。聞くと、15年前から症状が出始めて、5~6年前に全身に広がったとのことで、この時には爪まで変形している状態でした。皮膚科では治せないと言われ、ステロイドホルモン剤を使っていたそうです。そこで漢方薬を処方し様子を見ていたところ、徐々に乾癬がボヤけてきて、肌の凹凸も減り、約半年でキレイになっていきました。

▼59歳男性 尋常性乾癬

手足を中心に全身に尋常性乾癬の症状がでていました。3年程前から四肢に小さい発疹が出るようになったそうです。特にかゆみはないものの、医師に言われてホルモン剤を使っていたところ、だんだんと広がってきたことから何とかしたいと来店されました。漢方薬を飲み始めると徐々に薄くなっていって、1年ですっきりとした肌になりました。

▼62歳男性 尋常性乾癬

発症から5年。肩、脇、背中…とにかく全身に症状が出ていました。特にひどかったのが肩から背中にかけて。処方から大体8ヶ月でキレイになりましたが、消えたように見えても内部に炎症が残っている場合があるので、そこから2~3ヶ月飲み続けてもらい、完治の太鼓判を出しました。

PAGE TOP