Vol.107「花粉症」

Q.歳女性。朝起きるなり、くしゃみの連発で、鼻水がとめどなく流れてきます。かんでもかんでも滝のように流れてきて、ティッシュを詰めて口呼吸で家事をするしまつです。抗ヒスタミン薬も私にはあまり効果がなく、一日中頭がボーっとしています。夜になると鼻が詰まってなかなか眠れません。イライラして子供にもあたってしまいます。漢方で少しでも楽にならないでしょうか?

A.アレルギー性鼻炎は今や国民病とも言える病気です。現在2000万人以上と言われる花粉症患者さんの9割がスギ花粉症です。私達の体は一度大量の花粉のようなアレルゲンに対して過敏に反応すると、次には少量のアレルゲンに対してもすぐにアレルギー反応が現われ、その繰り返しがアレルギー体質になってしまいます。くしゃみ、鼻水、鼻づまりが三大症状で、ひどくなると目の充血、かゆみ、夜の鼻づまりでの不眠などに苦しめられます。
現代医学では抗アレルギー剤や副腎ホルモン剤、免疫療法などで症状を一時的に抑えていますが、完治とまではいかない厄介な病気です。
さて、御相談の方の症状は漢方では寒飲(冷え性の水毒)が花粉の過敏アレルギーで肺(呼吸器管)からあふれ出ています。肺を温める小青竜湯や体の中心である腎を温める麻黄附子細辛湯がいいでしょう。これらを同時に用いても効果的です。また、あまりにも鼻水が多いようですと五苓散や藿香正気散、附子人参湯などの体のむくみをとる利水剤と併用しますと速効性があります。また鼻水は何とか治まったけれど鼻づまりが残って息苦しい時は小青竜湯加石膏がよく効きます。石膏が鼻粘膜の炎症を治してくれます。さらに目が充血してかゆいかゆい時には十味敗毒湯や銀翹散などをお勧めします。
さて、平均して冷え症体質の人に花粉症が多いようです。この時期、体をよく温めて冷やさないようにしましょう。花粉症には漢方薬が本当によく効きます。ぜひ一度試してみて下さいね。

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