Vol.26「子宮筋腫」

ごきげんいかがですか?

今回は「子宮筋腫」を取り上げます。筋腫がよく見つかる年齢は30歳後半から40歳にかけてで、20歳以下の若い女性にはありません。30歳以上の女性の20%に筋腫があると言われていますが自覚症状があまりなく気付かずに人生を過ごしてしまう女性も多くいます。

子宮筋腫は子宮頸管粘膜の異常増殖したものですが、その原因は残念ながらまだはっきりと分かっていません。ただ30から40歳代に多く60歳以上では年とともに小さくなっていくことなどから、卵胞ホルモンによるという説が一般的です。子宮筋腫は発生場所によって3種類に分けられています。

①粘膜下筋腫…子宮の内側にでき、月経過多がみられるがあまり大きくならない

②筋層内筋腫…子宮の筋肉内にでき、月経痛、月経過多がみられる

③漿膜下筋腫…子宮の外側にでき、自覚症状はないが大きくなりやすい

一般的な症状としては月経過多、月経痛、帯下(おりもの)、不正出血、それに伴う貧血、筋腫の圧迫による頻尿、不妊などが多いようです。また無症状の女性も多いようですが、しばしば婦人科での定期検診で発見されます。

治療法は現在、ホルモン剤で女性ホルモンをコントロールするか、核手術、あるいは全摘出術になります。もし婦人科の先生の指示により、もう少し経過を見ていきましょうということであれば、ぜひ漢方薬を試してください。漢方では、子宮筋腫を血(流れの悪い古い血)の証とみて、活血化し、子宮への血行を促し筋腫を改善します。経験的にみますと筋腫に伴うシミも薄くなっていきます。それでは代表的な漢方薬を紹介しましょう。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)…生理痛や下腹部痛があり、便秘がひどく下腿静脈怒張や外痔核がある人に。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)…冷え、のぼせ、生理不順、生理痛、不正出血などの体質に。舌に班がみられることも多い。

弓帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)…帯下(おりもの)や不正出血が止まらず貧血する人に。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)…体が弱く、生理痛、生理不順、めまい、肩こり、むくみ、腹痛などを訴える人に。

場合によってはヨクイニン、大黄、三稜、莪朮などを加えることもあります。

さて子宮筋腫はあくまで良性の腫瘍で、進行途中で悪性のがんに変わることはまれです。定期的に検査を行って、それに基づく正確な診断と適切な治療が大切ですね。

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