Vol.21「膀胱炎」

膀胱炎は誰もが耳にしたことがあるありふれた病気ですね。中年以後の女性に多く、一度かかると何度も繰り返すやっかいな病気で、ひどくなると腎臓病まで発病してしまうこともあります。尿意をもよおしてトイレに駆け込んでもごくわずかの小便しか出ず、激しい痛みや不快感を感じ、出し終わりにキュッと痛むということもよく聞きます。また残尿感や血尿もありスッキリしません。

これらの症状は膀胱に細菌が増殖しているためであり冷え性や疲労、排尿の我慢などが原因と考えられます。特に女性は男性に比べて、尿口付近に細菌がたくさんありほんのわずかなことで膀胱にまで侵入しやすいのです。たいていは大便中の大腸菌のいたずらですが、緑膿菌やトリコモナス菌、淋菌などが入り込むと膿が出はじめて症状がひどくなってきます。

さて膀胱炎は急性であれ慢性であれ、冷房病や老人に多く見られるように、体の抵抗力の低下によって発症しやすくなりますが膀胱炎になったら安静にして、入浴は避け、体を冷やさないように努めることが大切です。急性の場合には水分をたくさん取って尿の量を増やしましょう。

一般的に急性膀胱炎には抗菌製剤が用いられますが漢方薬との併用をおすすめします。また慢性に繰り返すときには漢方薬が有効です。体質改善、症状の解消、再発の防止などが期待できます。それでは代表的な漢方薬をご紹介します。

猪苓湯(ちょれいとう)…尿量が少なく、排尿痛、残尿感、血尿があるときに用いられ再発防止のためや尿路結石にもよく効きます。

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)…局所にかゆみや熱感を感じる人で、排尿痛、尿のにごり、こしけ、などがある急性の膀胱炎、尿道炎、バルトリン腺炎、膣炎などにも応用されます。

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)…疲れやすくて四肢が冷えやすく、尿量減少、排尿困難、頻尿、むくみなどを訴える高齢者によく用いられ排尿後の隠痛に効果があります。

清心蓮子飲(せいしんれんしいん)…いらいらして手や足の裏がほてる、口の渇き、口内炎などを訴える人の濃縮尿、排尿痛、排尿困難、あるいは神経性膀胱炎によく効きます。

当帰芍薬散(しょうきしゃくやくさん)…顔色が優れず、貧血気味の人で疲れやすく冷え性で風邪を引くたびに膀胱炎を繰り返したり、特に寒くなると調子の悪い人の膀胱炎に。

昔からヨーロッパでも抗菌剤のないころからウワウルシという薬草が膀胱炎によく用いられた記録が残されています。さてこれからクーラーの季節になりますが、体を冷やさないように心掛けましょう。

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