Vol.18「子どもの病気」

子どものご相談の大半は虚弱体質の改善です。虚弱体質とはこれといった特別な病気はないのに体が弱く、やせ型で血色が悪く、根気がなく、毎月のように風邪をひいては学校を休んだり、生まれたときから病院通いが絶えないといった子どものことです。風邪をひくとすぐに扁桃腺が腫れて発熱したり、年中、頭痛や腹痛を訴える、神経質で泣いたり怒ったりしやすい、疲れると吐く、しっしんができやすいなどもよく聞きます。

原因は体質的遺伝もありますが、大多数は育て方のあやまりです。チョコレートや菓子類、コーラのような甘い飲食物を与えすぎず、偏食させないでよく運動させて、過保護にしないようにしましょう。

漢方薬はこのような半健康の状態を扱うのが得意であり徐々に元気な子どもへと治していきます。少なくとも一年、できれば二年、三年と長く服用すればより効果が現れてきます。それでは代表的な漢方薬をご紹介します。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)…鼻血が出やすく疲れやすい、顔色がさえず、よく便秘や下痢を繰り返す、アトピー性皮膚炎や気管支喘息などがある子どもに常用します。

小柴胡湯(しょうさいことう)…皮膚や粘膜の抵抗力が弱く、すぐに扁桃腺が腫れて発熱、風邪などの感染症がなかなか治らないような子どもに。子どもの聖薬と言われています。

甘麦大棗湯(かんぱくたいそうとう)…イライラ、夜泣き、ひきつけ、自閉症など、精神的な面でプレッシャーのある子どもに安心感をもたらし神経バランスを整えます。

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)…神経質でよくまばたきしたり、鼻の穴をヒクヒクさせたり、少しの間も落ち着いていられないチック症の子どもに。

六味丸(ろくみがん)…乳幼児、小児の発育不良や知能の発達不良によく用いられますが、尿が近いとか寝小便などの排尿異常にもよく効きます。

このほかにも、たくさんの有効な漢方薬があります。専門家に相談してみてください。

さて子どもの病気について述べてきましたが最近は特にカルシウム不足が多く見受けられます。イライラしたり人をいじめたりすることも報告されています。繰り返しになりますが砂糖を多く含むジュースや菓子類は骨のカルシウムが溶け出してしまい、体や精神の成長を妨げます。成長時には舌によいものより、体によいものを食べさせてください。東洋医学には医食同源という聖句があります。古人の知恵ですね。

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