Vol.7「膠原病、リウマチ」

膠原病は自己免疫疾患の一つですが、原因はまだはっきりと分かっていません。組織や細胞は膠原繊維でつなぎ合わされ離れないようになっています。ここに起こる病変を総称して膠原病と呼びます。

このグループには、慢性関節リウマチ、全身性エリテマドーテス、強皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、シェーングレン、ベーチェット病などがあります。

今回は最も発症が多く全国に50万人以上あるといわれるリウマチを取り上げます。

リウマチは30~50代の女性に多く男性の約4倍発病します。自覚症状として、まず手指のこわばり、続いて痛みと腫れが現れます。やがて手や足の指などが変形していきます。同時にひじやひざ、後頭部、指などに皮下結節などもみられます。進行すると全身がおかされて内臓や目にもさまざまな症状があらわれ死に到ることもあります。治療は何と言っても痛みを抑え、関節の変形防止、機能維持です。西洋医学では、ステロイドホルモン剤や抗リウマチ薬、免疫抑制剤が主となりますが、副作用を十分考慮しなければなりません。

そこで、ぜひ漢方薬を取り入れてみて下さい。特に重症の患者さんは西洋薬と漢方薬の併用をおすすめします。痛みの軽減、免疫力の調節、体質の改善、ステロイド副作用の軽減、中止の効果が期待できます。また変形のある重症でも進行をくい止め、社会復帰できるまでになる場合もしばしばあります。

それでは症状別に代表的な漢方薬を紹介しましょう。

①越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)…四肢関節が熱をもち腫れて痛む。患部を冷湿布で冷やすと軽快する。初期リウマチに用いる。

②苡仁湯(よくいにんとう)…四肢関節が腫れて痛む。雨の日や寒い日に痛みが強く、温めるとやわらぐ。

③疎経活血湯(そけいかっけつとう)…四肢関節の変形、刺すような痛み。圧痛がひどくて身の回りのことができない。

④大防風湯(だいぼうふうとう)…関節の変形、無力感、寒冷や疲労により痛みが増す。やせて顔色が悪い。

⑤牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)…慢性期のリウマチで痛み腫れを長期に繰り返し、手足の冷え、むくみ、足腰の脱力感が日常的にある。この他ではクマ笹エキスなども効果があります。

さて、生活上の注意は、体を冷やさない、湿気をさける、生食物は控える、が大切です。温泉療法などで、体をよく温めましょう。リウマチの患者さんは、痛みの苦痛、変形の不安、身の回りのことができないいらだちなどの悩みをもっています。周囲の人たちはこうした患者さんの気持ちを、思いやりをもって接するようにしましょう。

「毎日、足温器などで足を温めるのも効果的」

次回は認知症についてお話します。

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