Vol.4「アトピー性皮膚炎(前編)」

アトピーとは不思議なという意味です。現在もはっきりした理由は分かっていませんが血液中にIgEという原因物質が異常に多いことだけは、分かっています。かゆくて夜も寝られず、かきむしっては再び悪化し、朝おふとんが膿と血で汚れているということをくり返します。イライラして気分が落ち着かず性格まで暗くなってしまいます。現在、一般的な治療法としてはステロイドホルモン剤と抗ヒスタミン剤、それに保湿剤ぐらいの対症療法です。

これらの処置も苦痛の緩和になりますが、長期連用するとかえって皮膚の免疫抵抗力が弱くなり黒ずんでしまうことになります。本人自身も苦しいのですが、ご家族も大変つらい病気です。よく発症する場所は、首のまわり、顔、腕、ひざ、目のまわりなどです。また長期慢性化して全身がゾウの肌のようになっている場合もあります。

アトピーは単なるアレルギー疾患ではありません。生まれもった体質、外部環境、例えばダニ、花粉、黄砂、紫外線、ウイルスなどに影響され、毎日の食べ物にも大きく左右されます。特に精神的ストレスと非常に深く関係しています。神経質でイライラしやすく、落ち着きがない子どもさんに多くみられるのです。

さて、どうすれば、このやっかいな皮膚病を治していけるかですが、まずは体質改善が必要です。基本的には、たえず皮膚を清潔に保ち、汗をかいたらシャワー等で軽く洗い流す▽ふとんやじゅうたんも清潔にする③夜は10時には寝るようにして、睡眠時間は9時間とるように心がける▽チョコレートやケーキのような砂糖やミルクのたっぷり入ったお菓子をやめ、脂肪の多い肉類も控え、缶コーヒーやインスタントラーメンはもってのほかです。そして和食を中心にして緑の野菜を多く取り、体の余分な毒素を取り去ります。

「体質改善には砂糖やミルクのたっぷり入ったお菓子やインスタントラーメンはやめる」

これら生活環境を改めた上で、自然治癒力を高め体質を改善する目的で漢方薬を服用すると素早く効果が表れてきます。大切なのは必ず治してみせるという強い決意と真剣な取り組みです。

次回は体質を改善していく漢方薬を詳しく述べていきます。

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