江本薬局
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vol.77「冷え性・低体温症」


 一般的に私達の体温は約36.5℃ですが、深部体温が35℃以下になると低体温症と呼びます。最近、子供や女性に多くみられるようになりました。特に生理不順や不妊症は、冷えや低体温でホルモン分泌の異常や自律神経の乱れが主な原因の一つと考えられています。
 私達の体温が1℃下がると基礎代謝や免疫力の低下、血行不良などから様々な病気を引き起こす原因となります。生活習慣病、アレルギー、感染症、不妊、精神疾患など。また、体温が35℃でガン細胞は活発になるので、温熱療法で体温を2℃程上げ免疫力を高めるよう指導する先生もいらっしゃいます。
 この低体温症になる原因として、特に冷たいものや甘い物の食べ過ぎ、ダイエット、冷暖房、運動不足、自律神経失調、低血圧症などからの血行不良があげられます。
改善には、運動で血液を送る筋力の強化、体を冷やす糖分や冷たいものを控える、お風呂にゆっくり浸かる、筋肉のもとであるタンパク質を多く摂るよう心掛けるなどが効果的なようです。ちなみに「おもいっきりテレビ」に出演されていたあるドクターが以前、「体温を上げて病気を治す」というタイトルの本を出版され、その中で体温の低下=血行不良が様々な病気の最大の原因で「体熱を作り出し免疫力を高めれば、ほとんどの病気は治る。」とまで述べられていました。
さて漢方では病気を、体を温めて(温煦作用)内から治療してゆこうという考えがあります。
私達の体を温めているのは「腎」であり、肝(自律神経)が血行を良くし、体温を調節しているとみなします。ですので、附子・桂枝・乾姜などの生薬を用いて体を温め、柴胡・芍薬・枳実などで気血のめぐりを良くし、冷え性・低体温症を改善してゆきます。ぜひためしてみて下さい。
それでは代表的な漢方薬をご紹介します。
 
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)・・・・・・体力虚弱で、手足に冷えがあり、寒がりで風邪をひいては治りにくいような人に。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・・・・・・・・虚証体質で貧血、腹痛、疲労倦怠感、冷え性、生理不順、めまい、肩こ
り、頭痛などを訴える女性に。

真武湯(しんぶとう)・・・・・・・・・・新陳代謝が衰えて、四肢が重だるく、冷え、寒け、むくみ(特に下半
身)、泥状~水様便を繰り返すような人に。
 
 
冷えは万病のもとと言います。運動不足を解消し、冷たいものを摂り過ぎないように心掛けましょう。

 
2016-12-19 14:44:49

Vol.76「狭心症・心筋梗塞」


日本では死因の1番が「がん」で、2番目が心臓病です。実際「心臓に不安があって血圧の薬を長年飲んでいます」という声を店頭でもよくお聞きします。今回はこの心臓病についてのお話です。

私たちの心臓は心筋という特別な筋肉でできていて、手足や体の筋肉とは全く違った機能を持っています。一つひとつの筋肉が自ら自動収縮する力を持ち、一日に約10万回程度拍動してほぼ8000リットルの血液を全身に送ります。

この心筋細胞自体は代謝せず、一生同じ細胞が働き続けます。これほど頑強な心筋ですが、この心筋に栄養を送る冠血管が狭くなり血液が流れにくくなった状態を狭心症、血栓ができ、つまって心筋が壊死した状態を心筋梗塞としています。また、これらをまとめて虚血性心疾患と呼んでいます。

狭心症は労作性狭心症、安静時狭心症、夜間狭心症などに分類されていますが、ほとんどは胸から喉にかけての痛み、放散痛での左肩から腕、みぞおち、背中などの深い所に痛みが起こります。痛み方はもやもやした軽い痛み、締め付けられるような痛みなど強弱さまざまで、だいたい5~6分続きます。これが心筋梗塞になると、突然の激しい痛みが30分以上続き、締め付け感、圧迫感、灼熱感、けいれん、時には意識を失ってしまうこともあります。

これは左心室の壊死によるもので、死亡率が40%、そのうち70%は発作時1~2時間で亡くなるという大変危険で急を要する病気です。

この虚血性心疾患の直接の原因となる動脈硬化を引き起こす因子として6つの要因が言われています。高血圧、高コレステロール血症、肥満、糖尿病、ストレス、疲労などです。さて、治療は現代医学では発作期と緩解期に分けて行われますが、漢方医学でも同じ方法をとります。それでは代表的な漢方薬をご紹介しましょう。

瓜呂薤白白酒湯(かろがいはくはくしゅとう)…みぞおちから心臓にかけての痛み、あるいは左肩や左腕などへの放散痛、また少し激しく動くと心臓が痛んで呼吸が苦しくなるような人に、長期的に用いて致命的な心筋梗塞を防ぐ。

炙甘草湯(しゃかんぞうとう)…動悸(どうき)、息切れ、心悸亢進、狭心症を発症しやすい人の予防、体質改善に。

六神丸(ろくしんがん)…発作が起こりそうな時の予防に。また毎日少量飲んで体質強化に。

狭心症・心筋梗塞の発作は冬だけでなくいつでも起こります。発作時は慌てずに安静を保つことが第一です。
2016-02-22 09:00:00

Vol.75「むくみ」


ご相談のお客さまが「昔から体がむくみやすくて、鼻炎の頃は顔まで腫れてしまいます。尿は回数が少なく汗はあまりかきません。特に朝夕、手足がむくんでだるくてツライです。何とかなりませんか」とおっしゃいます。今回はこの「むくみ」のお話です。

むくみは医学用語では浮腫と言いますが、体内に水分がたまった状態です。原因はさまざまですが、腎疾患、肝疾患、心臓疾患、老人性疾患それに更年期障害や妊娠中毒症などからも起こります。

治療法は原因となる病気の治療が第一ですが、むくみのもとである塩分と水分の制限が必要です。 軽いむくみであれば一日3~5㌘の減塩食を続けるだけで治りますが、重病のむくみは利尿剤を使用します。しかし副作用を最小限に抑えるために、服用中も塩分制限は必要です。

さて、漢方ではむくみを「水毒」と呼び、体内の水分の代謝がうまくいっていないことから起こるとされています。おおまかに2種類あり、指で押すとへこみがすぐに戻るタイプ(陽水)とすぐに元に戻らないタイプ(陰水)に分けて判断します。いつも言いますが、漢方では体全体をみてお薬を決めますので、むくみという症状と、それのもとになる病気を合わせて考え、処方されます。

例えば、月経前のむくみには血の道のめぐりをよくする当帰芍薬散、老人性のむくみには腎の血行をよくする牛車腎気丸、心疾患には木防已湯といった具合です。また民間薬としては夏のウリ科の野菜や植物はほとんどが利尿作用をもっています。キュウリ、スイカ、カラスウリなどどれもむくみには有効です。

それでは、代表的な漢方薬をご紹介します。

木防已湯(もくぼういとう)…強いむくみで尿の出が悪く、口や喉が渇く人で腎疾患や心臓疾患のむくみに。

分消湯(ぶんしょうとう)…尿の出が悪く腹水のある時に。

五苓散(ごれいさん)…下痢、嘔吐(おうと)などがあり尿の出が悪く、口が渇き汗がたくさん出やすい人のむくみに。

防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)…太り気味で、多汗症、膝に水がたまりやすい人のむくみ体質に。

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)…四肢が冷えやすく下肢痛、腰痛などを伴う排尿困難、頻尿、むくみに。

越婢湯(えっぴとう)…アナフィラキシーやじんましんなどで急性の炎症性の腫れやむくみに。顔面から全身に及ぶ胸水や関節内水腫にも用いる。

このお客様には体を温めて血行を促し、水分の巡りを良くする麻黄附子細辛湯を「尿を我慢しないでくださいね」と言ってお渡ししました。

さて、風邪や疲労からくるような一時的なむくみは心配ありませんが、慢性的に続くむくみは時には内に隠れた病気もあります。軽くみてはいけませんね。
2016-02-08 09:00:00

Vol.74「アレルギーⅡ」


以前にもアレルギーのことをお話ししましたが、今回は続編ということでもう一度アレルギーのお話をします。

このアレルギーという言葉自体が知られるようになったのは昭和30年ごろで、近年では10人に1人は治療を要し、病院に行くほどではない人を含めると3人に1人ぐらいあるだろうといわれています。

原因は、食生活や生活様式の変化,大気汚染、ストレスの多い生活などが影響しているものと考えられています。また、かつての3大アレルゲンだった卵、牛乳、大豆から小麦、カニ、エビ、果実など、多種多様に広がる傾向があり、症状もアナフィラキシーなど重症化しつつあります。

そもそもアレルギーはアレルゲンが体内に侵入すると、それと戦う抗体(IgE)が作られます。このIgEは、再び侵入したアレルゲンと結合し抗原抗体反応を起こします。このとき過剰にヒスタミンを放出してかゆみ、炎症が現れるのです。これが鼻炎、喘息、結膜炎、アトピー性皮膚炎、じんましん体質となります。そばで見ていると、それぞれのアレルギー症状は本当につらそうです。

現在、西洋医学での治療はアレルゲンを身の周りから取り除く,アレルゲンを少しずつ注射する減感作療法、抗ヒスタミン剤や副腎ホルモン剤などの内服や注射などです。しかし、どれも決定的な治療法とは言えないようです。

さて漢方医学では、いつも全体を考えた治療になります。

かゆみや炎症を抑える標治と同時に、特にアレルギーには附子、桂枝、乾姜(かんきょう)などの生薬を用いて体を中から温め、柴胡(さいこ)、オウゴン、芍薬(しゃくやく)などで過敏神経体質を改善していきます。アレルギー体質でお悩みの方は、ぜひ漢方薬を試してみてください。よい結果が得られるはずです。

それでは、代表的な漢方薬をご紹介します。

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)…アレルギー性鼻炎や気管支喘息の代表薬でくしゃみ、鼻水を連発するような人に。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)…じんましん、湿疹を繰り返す慢性的なアレルギー体質の改善薬に。

麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)…老人や虚弱者で冷えやすく,抵抗力の弱い人の体質強化に。

小柴胡湯(しょうさいことう)…アレルギー体質改善の代表薬。

アレルギーの症状自体は古代エジプト時代の記録にもみられるそうです。

それほど古い病気がなぜ、現代の文明病となって現れているんでしょうかね。
2016-01-18 09:00:00

Vol.73「心臓神経症」


今回は、この不安神経症の一つである心臓神経症のお話です。心臓神経症とは、心臓には異常がないのに不安や欲求不満,自分が病気ではないかという思い込み、うつ状態などが原因になり、長期にわたって動悸や息切れ,胸の痛みなどを訴える病気で、最近は働き盛りの年齢層に増えているようです。

原因として性格上、優等生タイプの人や,内向的,神経質で不安な気持ちになりがちな人に多く、特にストレスによって心臓の働きを活発にする交換神経が刺激され、動悸や息切れが起こります。

心臓病との違いは、安静にしている時でも動悸,息切れ,胸痛が起こることです。また症状が現れると大変不安になり、その不安がもとで抑うつ状態になってさらに症状が悪化します。

現在、治療法はカウンセリング等で、病気の原因は心理的なものだから心臓そのものに障害はないことを理解させることとともに、症状を除くために抗不安薬、抗うつ剤、自律神経失調薬を使います。

ちなみに、心臓神経症の原因となるストレスとしては、家族の病気,子どもが家を去る,職を失う,新しい仕事に就く,配偶者の死などが多いようです。

さて、漢方医学では心(シン)は「血脈を主る」「神を主る」と考えています。血管と中枢神経は心が調節しているということです。ですので感情や精神の乱れは心(心臓)の乱れになり、動悸や息切れ,胸痛になって現れるとみるのです。

漢方は、脳の興奮症状である不眠,多夢,驚きやすい,動悸,不安感,焦燥感などを鎮める安心薬を用いて治していきます。副作用もほとんどなく、確かな効果が期待できます。

それでは代表的な漢方薬をご紹介します。

桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)…元気がなく、顔色悪く、時には手足がしびれるような人の不安感、不眠、多夢、動悸、発作性頻脈などの症状に。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)…いらいら、のぼせ、落ちつかない、胸部が張って苦しい、疲れやすいなどで、不安神経症、対人恐怖症、強迫神経症、気が小さいなどの心臓神経症の人に。

帰脾湯(きひとう)…疲れやすく貧血気味、軟便~水様便、健忘、頭がふらつく、ぼーっとする。眠りが浅い、息切れ、動悸を訴える心臓神経症に。

ストレス発散には、十分な睡眠や時間をかけたゆっくりした入浴、食事を楽しむなどの生活スタイルの見直しも大切ですね。
2015-12-28 09:00:00

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