江本薬局
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vol.90「尿漏れ」


  尿のことで悩んでおられる方は老若男女にかかわらず非常に多いのではないでしょうか?
  今回はこの尿漏れのお話しをします。
  子供では34才ぐらいから排尿の抑制ができるようになりますが、この時期を過ぎても尿失禁があるものを遺尿症、夜だけ起こるものを夜尿症といいます。大人になると、
◎腹圧性尿失禁…重い物を持ち上げたり、咳やくしゃみ、ジョギングや運動時に腹圧が上昇して漏らしてしまう。特に女性の4割を超える2000万人以上の人が悩まされていると言われています。
◎切迫性尿失禁…強い尿意切迫感とともに尿をこらえきれずに漏らしてしまう。また冷たい水で手を洗ったり、寒い所に出ると尿が漏れそうになったり。実際漏らしてしまう。特に原因はわかっていません。
 一般的に男性より女性の方が多いのですが、これは男性の尿道が1720cmと長く、2ヶ所で折れ曲がっているのに対して女性では34cmと短く、真っ直ぐになっています。また加齢に伴って排尿を調節する骨盤底の筋肉群が男性よりも弱くなるからだろうと言われています。
  5060才ぐらいになると、心当たりの人も多いのではないでしょうか?現代、治療法は膀胱括約筋を閉じさせるために肛門を締める骨盤底筋体操や、抗コリン薬の内服、ひどい時は手術になるようですが、決め手に欠ける場合が多いようです。
 さて漢方では、特に尿漏れは腎の働きの弱り、膀胱括約筋などの支筋のゆるみは脾胃(胃腸)の力不足(気虚)と考えます。また年齢による老人性膀胱萎縮、膀胱括約筋麻痺等は、腎陰陽両虚として腎の活力低下と考えます。ですので尿漏れにしても体全体を考えた漢方になります。この大・小二便の不調は人としては避けられない事で、昔から漢方薬には沢山の処方が残って現在に到っています。
 それでは代表的な漢方薬をご紹介します。
 
 
補中益気湯・・・・元気なく疲れやすい体質で、胃アトニー、遊走腎、脱肛、子宮脱など、膀胱括約筋の緊張低下からの尿漏れ症に。
苓姜朮甘湯・・・・腰から下が冷えて、腰以下が重だるく、軽いむくみを伴う冷えからの尿漏れ症に。
八味地黄丸・・・・中年以後で下肢が冷え、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみなどの人の尿漏れ症に。
 
 
尿失禁は生命に直接影響するわけではありませんが、生活の質を低下させてしまう病気です。
お困りでしたら恥ずかしがらずに治療しましょう。ぜひ漢方薬を試してみて下さい。


 
2017-10-12 16:33:07

vol.89「心の病気Ⅱ」


心の病気には統合失調症、うつ病、神経病、心身症他など多くの種類があります。
 統合失調症は思春期から20才代の人に多くみられ、現実と非現実の区別ができなくなり、声が聞こえる幻覚や妄想、意欲減退、感情鈍麻、自閉的などがあらわれてきます。一方、神経症(ノイローゼ)は統合失調症とは別の病気で、不安という症状であらわれます。戸締りを何度も確認しないと気が済まない強迫神経症や、不安にかられ動悸や冷や汗、呼吸困難、パニックといったような不安神経症、人の視線が気になる対人恐怖症、他には高所、閉所、暗所恐怖症などがあります。
 さて、心の病気で一番多いのが心身症です。これは神経症と違って心理的、精神的な要因が原因となって身に異常が起こる病気です。主な心身症として皮膚系にはアトピー性皮膚炎、多汗症、慢性蕁麻疹、円形脱毛症など、呼吸器系ではチック症、腰痛、筋肉痛、脊椎過敏症など、消化器系では胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎、過敏性腸炎など、摂食異常では神経性食欲不振症、過食症、です。この他にも月経障害、神経性頻尿、耳鳴り、緊張性頭痛などが知られています。
 残りは「うつ病」です。気が滅入って悲観的になり何もしたくなくなってしまう病気です。思春期と初老期に多く抑うつ気分、悲哀、寂寥感、不眠、自殺願望等が現われます。最近は幸せホルモンのセロトニン再吸収阻害薬(SSRI)が効果を上げているようです。
 さて現代では、皮膚病は皮膚科、お腹は胃腸科、風邪は内科という治療になりますが、案外、心の病気からの疾病も多いものです。2000年前の漢方の古書「黄帝内経素問」に「恬憺(てんたん)虚無ならば真気これに従い、精神内に守る、病安(いず)くんぞ従い来らんや..」とあります。これは「心がけは安らかで静かであるべきで、貪欲であったり妄想してはならない。そうすれば真気が調和し、精神もまた内を守って散じることはない。このようであればどうして病気になるであろうか。」と心がけと体の病気についての養生法をおしえています。“心と体は不可分”という考え方です。昔から漢方には心の病気には沢山の処方が用意されています。
 それでは代表的な漢方薬をご紹介します。
 
柴胡加竜骨牡蛎湯・・・・イライラ、不眠、動悸、のぼせ、落ち着かないなどと訴える不安神経症、対人恐怖症、高所恐怖症、強迫神経症の人に。
他に半夏厚朴湯帰脾湯甘麦大棗湯酸棗仁湯黄連阿膠湯天王補心丹などがあります。
 
 
心の栄養が少ない社会になってきたんでしょうか?
体を温めてほっとしましょうね。

 
2017-10-12 16:29:07

vol.88「扁桃炎・咽頭炎」


寒くなりましたが今年もインフルエンザが流行しているようです。風邪には頭痛、発熱、悪寒、咳嗽などが伴いがちですが、今回はのどの痛み、扁桃炎のお話しです。
   口を開けると、のどの奥のほうの左右に赤い色をした扁桃が目にはいります。子供の頃はよりはっきり見えます。扁桃は外界から侵入するいろいろな菌やウイルスを捕まえて、その活動を免疫力によって抑えています。ところが風邪などがもとでこの扁桃に炎症が起きますと逆に菌などが繁殖しやすくなり左右どちらかの扁桃がより大きく腫れ、飲み込む時に痛みを感じます。この扁桃炎を起こすウイルスや菌は色々知られていますが、特に溶血性連鎖球菌に感染するとむくみや尿閉、血尿、タンパク尿などの急性糸球体腎炎、下肢の出血斑、腸炎や関節痛を起こすアレルギー性紫斑病、関節に炎症を起こしたり発熱するリウマチ熱を発症することもあります。よく「風邪からの溶連菌が原因で子供が…」と耳にします。扁桃炎から発症するのですね。
 急性扁桃炎の症状として、38℃以上の発熱、咽頭の痛み、倦怠感、関節痛の他、頚部リンパ節の腫れ、耳や側頭部の痛みなどを訴えます。また慢性化すると、扁桃が肥大化し、ひどくなると関節リウマチ、IgA腎症、掌蹠膿疱症などを発病します。現在の治療法は一般的にはVCや抗炎症薬、ステロイド剤などで、細菌が原因の時は抗生物質を使用しますが、最悪の時は手術によって扁桃摘出になります。
 さて、のどの痛み等は、一度はほぼ誰しもが経験していると思います。漢方では昔から咽痛、扁桃炎に使用されている処方が沢山考えられ用いられてきました。

それでは代表的な漢方薬をご紹介します。


桂枝二越婢一湯(けいしにえっぴいちとう)・・・・風邪の初期でのどが痛み始め唾が飲み込みにくく、口が渇く時。
甘草湯(かんぞうとう)・・・・のどの痛みが激しく発赤、腫張がある時に。薬の半分はゆっくりうがいし、残り半分を服用します。用途が広い。
黄柏煎(おうばくとう)・・・・毎朝夕、黄柏だけを煎じた汁でうがいをします。風邪をひかなくなり慢性扁桃炎もよくなります。
小建中湯(しょうけんちゅうとう)・・・・虚弱体質で元気なく顔色も悪くよく風邪をひく。慢性扁桃炎の子供の体質改善に。
 
 
民間療法としては、昔の人の特効薬として蛇脱皮(ヘビの抜け殻)を1020cm煎じて飲むとよいと伝えられてきましたが、きょうびヘビの抜け殻なんてどこを探しても...!
2017-07-14 13:00:07

vol.87「凍瘡(しもやけ)」


今年は秋を感じないままに冬になり、朝夕めっきり寒くなりましたね。
今回は冬の定番、しもやけのお話しです。
   しもやけと言えば子供の病気の代名詞のようでしたが、最近は高齢者のご相談が多くなりました。
   これは手足をめぐる血液の循環が悪いために寒冷に長時間触れると血管が広がったまま麻痺し、血液が固まってしまうためです。貧血症や冷え症の人に多くみられます。特に手足の指、かかと、耳たぶなどの体の末端によく発症し、痒くなったり痛みを伴い、ひどいものでは皮膚がくずれて潰瘍をつくることもあります。
 また、痛みや痒みで夜もゆっくり眠れない人もいます。治療法はビタミンE剤を服用したり、炎症の強い時はステロイド剤などですが、即効性はありません。
 昔から民間療法では「患部に針をさして黒い血を抜く」「温水と冷水に交互につける」「毎日生姜を食べる」などと伝えられてきました。また体の血行を良くするためにトウキ、カラスウリ、ユキノシタ、チンピ(ミカンの皮を2~3個分刻んで入れる)などの薬湯などもよく知られています。中でも特におすすめなのが、乾姜粉末(生姜の乾燥したもの)を5gほど洗面器に入れ、手足が浸かるほどお湯を注いで入浴時に手足を数分つけると効果的です。
 さて、しもやけは治療も予防も同じで血行障害を治さなければなりません。特に漢方では貧血や冷え症の体質を当帰、附子、桂枝、乾姜などの生薬を用いて体を中から温め四肢先端への血行を促進します。寒くなる前から飲み始めると良いでしょう
 
それでは代表的な漢方薬をご紹介します。
 
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)・・・・腹中を温め、末梢血管を拡張して四肢の血流を改善します。レイノー氏病や血栓性静脈炎、慢性関節リウマチ、神経病にも用いられます。
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・・・・しもやけ以外にも紫斑病やシミ、皮下出血、打撲、下肢血栓性、子宮内膜症などに用いられ、瘀血(血滞、血寒、うっ血)を浄血します。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・・・・虚証の人で疲れやすく、冷え症で貧血、むくみ、めまい、肩こり、頭痛などの血行障害の体質改善に。
温経湯(うんけいとう)・・・・冷えのぼせ体質で特に下半身が寒痛し、不性出血や月経異常に悩まされる女性のしもやけの体質改善に。
 
昔は子供のしもやけは当たり前でしたが、近年、生活様式の変化で子供たちが冬に(夏でも)外で遊ぶことが少なくなりました。「しもやけ」という言葉の意味すら知らない子供もいるようです
2017-07-14 12:00:07

vol.86「帯下(おりもの)異常」


一雨ごとに猛暑も和らぎ、過しやすくなってきましたね。
今回は女性だけのお話しです。
 そもそもおりものは、膣内の潤いを保ち雑菌の侵入や増殖を防ぐ働きをもっています。口の唾液や目の涙と同じようなものです。よく抗生物質を飲むとカンジタ膣炎になる人がいますが、これはおりものの中の善玉菌が除菌されてしまうので、カビの一種のカンジタ真菌が増えてしまうからです。
 生理不順や生理痛に並んで女性のおりものの悩みは多く、昔は婦人科医をこしけ医とよんでいたほどです。これは現代もあまり変わっていません。
 さて、おりもの異常の原因ですが①ホルモンバランスの乱れ、②ヘルペス、ウイルス、③精神的な理由、④肥満症、冷え、などが考えられます。症状としては血が混ざる子宮癌やクラミジア頚管炎、卵巣のう腫、ボソボソとして痒みがあるカンジタ膣炎、くすんだ薄緑色でツンと匂いがある淋菌や大腸菌などの雑菌感染症、泡立ったおりもので強い痒みを伴うトリコモナス膣炎、などが疑われます。
 また、このおりものとともに会陰部のピリピリとした神経病に悩まされている女性も多くいるようです。
 西洋医学での膣剤では止めるとくり返し再発することが多いようですが、漢方では特に骨盤内の炎症やうっ血、冷え、むくみをのぞき、温めながら血流を良くし、子宮機能を調整してゆきます。同時に冷えのぼせ、肩こり、頭痛、めまい等の女性の血の道症や不妊症も改善される場合がほとんどです。おりもの等でお困りの人はどうぞ漢方薬を試してみて下さい。
 
それでは代表的な漢方薬をご紹介します。
 
・竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)・・・・急性または亜急性の尿道炎、膀胱炎、滞下、陰部痒痛、子宮内膜症、膣炎、トリコモナス等に最もよく用いられます。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)・・・・強い冷え症で下肢が冷痛し、基礎体温が低く、生理異常やきつい生理痛を伴うようなおりものの過多に。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・・・・冷え性、貧血、体力虚弱で下腹部痛、生理痛、生理不順、頭痛、めまい、むくみ、肩こり、足腰の冷えに。
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・・・・下腹部の痛み、腫瘤、不正出血、子宮筋腫、子宮内膜症、冷えのぼせなどのおりものの改善に。下腹部に限らず全身のうっ血改善にもよく使用されます。
 
 
昔から女性の血の道症の悩みに漢方薬は心強い味方だったんですね。
2017-07-14 11:00:07

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