江本薬局
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vol.100「子供のアトピー」


Q6女の子。孫のアトピーがひどく困っています。学校など外出先でイヤなことがあると、帰宅後に痒みがとても強くなり、同じところを何度もきつく掻いてしまい腕や首、顔が真っ赤になり皮膚が腫れています。夜中に、痒みに耐えられずイライラして、起きて泣きながら暴れることも。ステロイドもあまり効きません。漢方薬で少しでもよくなるでしょうか? 
 
 
A. アトピー性皮膚炎にお悩みの方は最近特に多くなっています。もともと「アトピー」とは原因不明の皮膚病という意味で名付けられた病名です。日本では30年位前から増え続けています。アトピー性皮膚炎の現在の治療法はステロイドホルモン剤と抗ヒスタミン剤ですが、ちなみにこのステロイドは1950年頃にドイツの若い医師が、皮膚を含め体の炎症を治療する目的で発見し合成しました。もともとは人体の副腎から分泌されているものです。
   さて、このステロイド、抗ヒスタミン剤で症状が治まらず夜毎に痒みで目が覚めて出血するほどガリガリ掻いてしまうとのことですね。これはアトピー性皮膚炎とともに過敏性皮膚炎が考えられます。特に夜泣きやひきつけ、癇癪などをおこす子供さんに多くみられます。また、子供でなくとも神経症で自律神経過敏となり怒りやすくイライラして性急となり、よく寝られないような人もこの過敏性皮膚炎がみられます。掻き方が強いので皮膚がひどく傷ついてしまいます。
   さて漢方薬はチック症や小児ひきつけなどに用いられてきた抑肝散加陳皮半夏や柴胡清肝湯がよく効きます。炎症が強ければステロイド剤と併用するといいでしょう。他には昔から子供の聖薬とされてきた小柴胡湯も有名です。四逆散、加味逍遥散、柴胡加竜骨牡蛎湯などの柴胡剤(漢方の鎮静剤)も場合によってはよく併用されます。アトピー性皮膚炎は根治が難しい患者泣かせの病気です。しかし大切なのは絶対に治してみせるという決意と真剣な取り組みです。ぜひ漢方薬を試してみてください。
2018-03-23 13:45:24

vol.99「風邪の後の咳」


Q67歳女性。風邪がなかなか治りません。一週間ほど前からで、引き始めは葛根湯を飲んでいたのですが治りきらず、今は咳が続いています。もともと喉が弱く風邪をひくとより喉が痛くなります。日中も咳が出ますが、特に夜中の咳が酷く病院でもらった咳止め薬でも止まらなく困っています。何か良い漢方薬はありますでしょうか。 
 
 
A.風邪の後に、症状は治ったけれど咳がとれませんとよくききます。病院や薬局での気管支拡張剤や消炎剤、痰切り等で良くなる方も多いのですが、中にはなかなか良くならず一ヶ月以上も咳が続く人もいます。特に夜中に咳込んだり、誰かとお話し中に喉がチクチクとはしかくなり、こみ上げてくる感じで、つい咳込んでしまいます。割と年配の方によくみられます。
   咳は気管支や肺の異常が咳中枢神経を刺激して起こりますが、風邪と共に起こる咳には麻黄湯、参蘇飲、小青竜湯、駆風解毒湯、桑菊飲などがよく用いられます。しかし風邪の初期症状が治まっても咳だけ残る場合も多く、痰が出ると止まる咳には二陳湯、痰が粘稠で切れにくく、鼻やのどの乾燥感、しわがれた声、空咳には麦門冬湯や清燥救肺湯を使用します。また口が渇き汗が出るくらいに咳込み、黄色い痰が出るような時には五虎湯がよく効きます。一般的には風邪の後の咳にはこの五虎湯や麦門冬湯がよく使われています。
   使い古された言葉ですが「風邪は万病のもと」とよく言われます。特に高齢者は風邪をこじらせて肺炎や腸炎などを起こしやすくなります。血痰や微熱が続く黄色濃性痰の時には専門医を受診しましょう。さて風邪の予防としては体を冷やさないこと、外出から帰った後のうがい、少しおかしいと思ったら早めの睡眠などを心掛けましょう。どんな病気にも養生が大切です。
2018-03-22 13:41:24

vol.98「掌蹠膿疱症」


Q.以前から手の平が痒くて皮が薄くなったり、はがれ落ちたりを繰り返していたので、皮膚科を受診したところ、掌蹠膿疱症だと言われました。ステロイドホルモン剤をその都度塗り、症状を抑えてきましたが、一ヶ月程前からだんだんと酷くなってきました。身内の介護をしているためストレスが強く、また年齢的にホットフラッシュなど更年期の症状で体調がすぐれない日が多いのですが、この手と関係しているのでしょうか? 
 
 
A.この掌蹠膿疱症は手の平や足の裏に小さな水疱や膿疱が次々とでき、やがて患部が破れ、血や膿が出て、手足が腫れ、皮膚がポロポロとはがれ落ちてしまう難治性の慢性皮膚炎です。進行すると爪まで黒ずみ変形してしまいます。しかしこの病気はウイルスや細菌によって起こる病気ではなく、現代医学をもってしても原因はわかっていません。実際には糖尿病や高脂血症、IgA腎症、甲状腺機能異常、各種膠原病などを併発している人が多いと言われていますが、全ての人がそうとは言えません。
  漢方では部分的に現われた病気でも常に体全体を考えて処方されます。特に炎症を伴う水疱や膿疱は痰瘀(古くて不必要な水分や血液のこと)と考えます。また肉体的ではなく神経的な原因で起こる病気を肝気欝結病とみます。今回のご相談には温清飲、消風散、十味敗毒湯、越婢加朮湯、小柴胡湯、桂枝茯苓丸などの漢方薬を併用すれば改善されてゆくと思われます。先生と相談して下さい。
   掌蹠膿疱症は水虫と間違われやすく、水虫薬をつけるとかえって悪化します。注意しましょう。たとえどんな些細な病気でも自分自身のこととなれば本当に辛いものです。目、耳、歯や皮膚、膝、腰、年齢とともに若い頃には思ってもみなかった病気が体に起こってきます。信頼できる先生と相談しながら、ていねいに体を労わってゆきましょうね。
2018-03-21 13:41:24

vol.97「老人性皮膚掻痒症」


Q4年程前から皮膚がとても痒くて困っています。あまりカサカサしていませんが、年齢が81歳ということで、皮膚科では老人性皮膚掻痒症でしょうと言われました。ステロイドホルモン剤を使い続けていますが、一向に良くなりません。特に肘~手首、膝~足首、お腹、背中がつらいです。
漢方薬を試してみたいのですが。
 
 
A.老人性皮膚掻痒症は皮膚の老化萎縮で皮脂や汗の分泌が減り、皮膚を護る皮脂膜が十分つくられなくなって起こる病気です。皮膚がカサカサしフケのような落屑をともない、体中のあちこちが痒くなります。なかには夜も痒みで度々目が覚めてしまうような方もいます。漢方ではこれを体質的には腎虚で、症状として血虚生風とみます。よく用いられるのは補腎剤の八味地黄丸、牛車腎気丸、鹿茸大補湯などと補血潤燥・止痒剤の当帰因子です。また慢性化した湿疹を伴う強い痒みのときには温清飲や消風散と併用します。
  さて、このご相談者の場合、皮膚科で老人性皮膚掻痒症でしょうと言われ、4年程ステロイドと保湿剤の合剤を使っても痒みがとれないとのことです。おそらく遅延型アレルギーの接触性皮膚炎(神経過敏性皮膚炎)も体質的にあるのでしょう。一部が痒くなると体のあちこちに痒みが広がり、抑えきれないほど掻いてしまいます。この神経性・アレルギー性の痒みには柴胡・黄芩・薄荷という生薬を用いて掻痒神経を清熱し、痒みを治めます。これらの生薬の配合された小柴胡湯や柴胡加竜骨牡蛎湯、加味逍遥散などがお勧めです。ステロイド、保湿剤とともに皮膚科の先生とご相談して、ぜひ漢方薬を試してみて下さい。
  この老人性皮膚掻痒症や神経過敏症皮膚炎は特に寒くなってくる秋から冬にかけてよく起こってきます。保湿剤をじょうずに用いて肌を潤しましょう。またお風呂では肌をあまりゴシゴシこすらないように注意しましょう。
2018-03-20 13:41:24

vol.96「夜間尿」


  Q78女性
 今年になって夜中に度々トイレに行くようになりました。ひどい時には2回、3回も行きます。おかげで睡眠不足から、朝起きても疲れが残っている感じです。また以前は暑がりでしたが最近は足腰も冷えて、腰痛にも悩まされるようになりました。自分のまわりの友人たちからも同じようなことをよく耳にします。年のせいかと諦めていますが、少しでもこの辛い症状を改善してくれるようなものはありませんか?
 
 
  A.夜中の度々のトイレは毎日の事ですから辛いものですね。年齢とともにほとんどの人が頻尿や尿漏れ、夜間尿で悩まされるようになります。一般的に60歳を過ぎる頃から萎縮腎や膀胱萎縮が始まり、毎年若い頃に比べ1%ずつぐらい働きが低下してゆきます。
  また膀胱括約筋を引き締めるバソプレッシンというホルモンも分泌量が減り、少しの刺激で尿意をもよおしてしまいます。
  漢方ではこれらの症状を腎虚の証と考えます。腎虚の症状は尿の不調以外にもめまい、耳鳴り、脱毛、歯の動揺、健忘、動作緩慢、腰や膝がだるく力がない、なども伴うようになります。
  さらに進み腎陽虚になりますと、温煦作用(体を温める働き)が低下し気力がない、いつも眠い、寒がる、腰や腹、手足が冷える、頻尿、尿量過多、夜間多尿などもみられるようになります。
  今回のご相談では78歳で夜間多尿、下肢冷え、腰痛ですね。補腎剤の八味地黄丸や牛車腎気丸、右帰丸、鹿茸大補湯などがいいでしょう。また肛門括約筋や膀胱括約筋を引き締める補中益気湯や黄耆建中湯を併用するとより効果があります。泌尿器科や漢方薬の専門の先生に相談してみて下さい。
老化は誰にも避けられないものですが、少しでも健やかに過ごしてゆきたいものですね。
 
2018-02-15 15:34:24

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