江本薬局
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Vol.32「貧血症」


 今回は貧血症についてお話します。一口に貧血と言ってもその原因はさまざまです。

①輸血が必要な出血性貧血②ビタミンB12あるいは葉酸不足の悪性貧血③赤血球の寿命(約120日)が短くなって早く壊れてしまう溶血性貧血④骨髄での造血能力が低下して起こる再生不良性貧血⑤慢性腎不全やがん、膠原病、妊娠などの症状として起こる二次性貧血⑥鉄の不足で赤血球が薄く小さくなって起こる鉄欠之性貧血などに分類されています。この中で鉄欠之性貧血は女性に多く月経、妊娠、授乳等で失われる鉄分は男性の2~4倍といわれています。これらの貧血の一般的な症状としては、顔色が悪い、立ちくらみがする、どうき、息切れ、頭痛、めまい、耳鳴り、脱力感、爪が薄く割れやすいなど、多種多様です。現在の治療法は輸血、ビタミンB12、葉酸の補給、ステロイドホルモン剤、男性ホルモン剤、鉄剤の補給などになります。漢方治療では体全体をみてその働きを考え、特に胃腸からの栄養吸収を高めて貧血症の体質を改善していきます。それでは代表的な漢方薬を紹介します。

帰脾湯(きひとう)…体がだるく、疲れやすくて不眠傾向がある人に。

六君子湯(りっくんしとう)…胃アトニーや胃弱で疲れやすく昼食後などにひどく眠くなるような人に。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)…血色が悪く女性の場合は月経障害があり手足の冷える人に。

十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)…病後や術後の体力低下、疲労感、食欲不振、寝汗などの慢性的な虚弱体質の人に。

人参湯(にんじんとう)…顔色が悪くもともと胃腸虚弱で低血圧ぎみの人に。

このほかに貧血を治す鉄分の多い動物のレバー、プルーン、ホウレンソウ、ひじき、キクラゲ、昆布、ローヤルゼリー、ごまなどを多くとるようにしましょう。日ごろからビタミンCを十分に補給することも大切です。また食事中のお茶は控えめにします。鉄分の吸収が悪くなるからです。

民間薬として有名なのがクマ笹です。クマ笹は緑の血液と言われ葉緑素の増血作用や末梢(まっしょう)の血管を拡張して体のすみずみまで酸素を運んでくれます。またビタミンABCEや鉄分などの栄養素をたくさん含んでいるので、貧血には大変有効です。

さて貧血症について述べてきましたが、これから胃腸のこわれやすい季節です。バランスのよい食事と質のいい睡眠を心がけましょうね。
2014-11-10 00:00:00

Vol.31「歯肉炎と歯周病」


「リンゴをかじると歯ぐきから血が出ませんか?」のテレビコマーシャルを皆さんもよく耳にしたと思います。また最近は「うれたトマトのようになっている歯ぐきには…」などと、嫌なCMも流れていますね。今回はこの歯肉炎、歯周病を取り上げます。

歯周病は、歯そのものではなく歯を支えている歯槽という部分の病気です。歯槽骨はいったん壊れてしまうと再生は難しく内服治療で治すことはほとんど不可能です。慢性的に進行すると歯肉が腫れて痛み、膿や出血があり歯がぐらついて抜歯しなければならないこともあります。言うまでもなく歯科の治療が必要です。自覚症状としては①歯ブラシ時の歯ぐきからの出血②口中の粘り口臭③歯ぐきがたびたび腫れて痛む④歯と歯のすき間があき、歯並びが悪くなる⑤かたい物を食べると歯ぐきが痛む⑥あごやこめかみに疲労感や痛みがある⑦歯がぐらぐらするなどが見られ、このうち一つでも症状があれば、歯周病が進行していると言えます。

さて原因は歯の手入れ、歯石、不適当な義歯などと言われていますが、大部分は体質的な因子です。特に免疫力の低下、血液循環不良、慢性胃腸病など半病人体質の人に多く見られます。治療と予防は、何といっても歯ぐきのマッサージです。漢方では、これに加えて体質そのものを改善して体全体を強くします。それでは代表的な漢方薬をご紹介します。

排膿湯(はいのうとう)…歯ぐきが赤く腫れ、膿を持っている時に膿を対外に排します。

桂枝五物湯(けいしごもつとう)…歯ぐきが慢性的に赤く腫れ、痛みや軽い出血がある時、また口臭が強い時に。

甘露飲(かんろいん)…慢性的な胃腸虚弱の人で、口中に炎症を伴った歯肉炎の痛み腫れに。

加味清胃散(かみせいいさん)…歯や歯ぐきの病気の全般的に用います。

十全大補湯(じゅうぜんぼだいとう)…体力があまりなく、貧血、疲れやすい、だるいと普段から訴える人に。

民間薬としてはクマ笹エキスが素晴らしく効果があります。クマ笹エキスで歯ぐきをよくマッサージすると引き締まり色もよくなります。

昔は歯周病は年寄りの病気とされていましたが、最近は子どもに多発しています。軟らかいものばかりを好んで食べ歯ぐきが鍛えられていないからでしょう。歯は健康の源です。良い歯みがき習慣を身に付けて歯を大切にしましょうね。
2014-11-03 00:00:00

Vol.30「ひざ関節の痛み」


今回は「ひざ関節の痛み」を取り上げます。

現在、変形性膝(しつ)関節症の患者さんは1千万人、予備群を加えると3千万人と言われています。特に50代以後の女性に多くみられるのは女性ホルモン、エストロゲンの減少による骨生成の悪化が原因と考えられています。

初期症状は朝の3~4分、動き始めのひざのこわばり感。少し歩けば自然に戻りますが、2~3カ月から1~2年して進行すると、立ち上がる時や階段を下りる時、正座する時などに痛みを感じるようになります。中期になると痛みが強く、曲がらなくなり腫れて水がたまるようになります。これは炎症のためひざ関節の滑膜から滑液が多量に分泌されるためです。末期になると「骨棘(こっきょく)」と呼ばれるとがった骨が神経を刺激して歩くのがほとんど困難になり、足がやせ、関節が変形してO脚になっていきます。

治療法は現在医学では痛み止め注射、水を抜く、物理療法などが中心になりますが、漢方では筋肉、じん帯、軟骨を強化して体に元気と栄養を補い温めながら血液循環をよくして痛みを和らげていきます。最近は軟骨の修復、再生の助けとしてグルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントも知られるようになりました。テレビや新聞でよく目にします。

また自分でできるケアも大切です。①体重を減らすこと②ストレッチやウオーキングで体を動かす③コルセットやサポーターで足腰の負担を減らす④冷えないように注意するなどを心掛けてください。関節のどんな痛みも体を温めて血行をよくすれば楽になります。それでは漢方薬をご紹介します。

防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)…筋肉にしまりのない水ぶとりでひざに水がたまりやすい人に。

独活寄生湯(どっかつきせいとう)…中高年で疲れやすく、腰やひざに力が入らない人に。

桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)…冷えが強く足がしびれるように痛む人に。のみ続けると慢性化した症状がよく改善されます。

麻杏よく甘湯(まきょうよくかんとう)…関節に水がたまり赤く腫れている人に。

疎經活血湯(そけいかっけつとう)…足のひきつり、しびれ、むくみなどを伴うひざの痛みに。

さて最近、高齢者に限らず、若い人の中にもひざの痛みを訴える人が多くなってきました。これは車社会やいすの生活が中心になってきたからでしょう。毎日歩くことを習慣づけてみてはいかがですか?
2014-10-27 00:00:00

Vol.29「円形脱毛症」


加齢とともに頭髪が徐々にさびしくなるのは、なんとか悪戦苦闘しながらもくい止め、発毛、育毛を促進させることができますが、円形脱毛症は何の前ぶれも、自覚もなく、ある日突然に親指大か10円玉くらいの大きさで円形に毛が抜けてしまう病気です。

まれに頭部全体が全部抜け、さらに眉毛やひげ、体毛まで抜け、つるつるになってしまう悪性のものもあります。1カ所の単発型よりも2から3カ所の多発型が最もよくみられます。放置しても数カ月で治りますが再発しやすく、多発型や範囲の広いもの、悪性のものは数年以上かかることもあります。

原因は精神的な悩みやストレス、自律神経失調症、甲状腺ホルモン異常など考えられていますが、なぜ毛根部が破壊されるのかは不明です。経験から考えますと、いろいろ気をもんでとりこし苦労をしている人、いわゆる不安神経症の人に多く発症しています。

3から4カ月ほどして治っても、何かのストレスを受けると再び一夜にして脱毛してしまう人もよくみます。治療法は外用ステロイド剤が中心で免疫抑制剤や血行をよくするための血管拡張剤が使われます。物理化学療法としては局所を凍らせるドライアイス圧抵法、かぶれ薬を用いるDNCB感作法、紫外線照射法などが用いられます。

漢方では毛髪は血餘といい血液の一部とみなし、腎が支配するものとしています。ですから脱毛を腎虚(精力の弱り)と血行不良として治療していきます(補腎活血)。日本古来の民間薬としては、苦くて有名なリンドウ科のセンブリがよく知られています。名前は聞いたことがある人も多いと思います。市販のヘアートニックにセンブリの花を細かく切って配合し、よくふって毎日1回頭部を軽くマッサージすると効果があります。それではいつものように代表的な漢方薬をご紹介します。

柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)…神経衰弱ノイローゼ、ヒステリー、不眠症、怒りっぽい、不安感などの神経症的な人に。円形脱毛症に最もよく用いられます。

葛根湯(かっこんとう)…原因もなく、突然丸くはげてしまった急性の人、頭痛、肩こり症の人に効きます。

加味逍遙散合四物湯(かみしょうようさんしもつとう)…冷え性、貧血、体力虚弱で精神不安や、いらだちなどの血の道症の人に。

最近ストレスの多い生活のためか、女性の円形脱毛症の方が多く見られるようになりました。日々の中にリラックスできる時間を持てるように心がけましょうね。
2014-10-20 00:00:00

Vol.28「神経痛」


今回は神経痛についてお話します。

神経痛は主に、頭部や顔面に起こる三叉神経痛、助骨に沿って起こる助間神経痛、腰から足の裏側に起こる坐骨神経痛がありそれぞれ抹逍神経の流れに沿って走る激しい痛みが特徴です。中高年以後によく起こり原因はさまざまですが、経験的にみて体の冷えや湿潤、疲労や何らかの病気の後によく発生しています。私たちの神経細胞も、血管から酸素や栄養をもらって働いていますが、この神経への血行不良が引き金のようです。かく言う私も若いころ、助間神経痛を患った経験があり、数日間息もできないくらい痛みで悩まされ、病院に行くと「助間神経痛の薬はないよ」と言われたのを覚えています。

さて、神経痛のなかで坐骨神経痛が最も多いのですが、患者さんは「腰が悪い」と思い込んでいるようです。「腰痛」と「坐骨神経痛」は別の疾患です。また坐骨神経痛は急性、慢性どちらも三叉神経痛や助間神経痛のように風邪の後やヘルペスウイルス感染後に発病するのではなく、大多数の患者さんが寒冷症状を呈しています。

ですから特に腰から下肢を温めることが大切です。現在、西洋医学では鎮痛消炎剤の内服やシップ、ステロイド剤や神経ブロック療法などが用いられますが、なかなか完治しません。漢方では体全体を温め神経への血行をよくし、淤血(古血)を去る処方をします。痛みが強い時には西洋薬との併用をおすすめします。それでは代表的な漢方薬をご紹介しましょう。

疎経活血湯(そけいかっけつとう)…坐骨神経痛に非常によく効きます。痛みが激しく夜間よく眠れないような人に。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)…けいれんを伴うほど強い痛みをしずめる働きがあります。

葛根湯(かっこんとう)…三叉神経痛の代表的な漢方薬。

五積散(ごしゃくさん)…冷え性が強い人の神経痛に著効を現すこともあります。

柴陥湯(さいかんとう)…助間神経痛によく用いられますが、冷えがあるときには人参湯と合方します。

八味丸(はちみがん)…糖尿病や老人の坐骨神経痛に。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)…外傷が原因で血体質の人の坐骨神経痛に。

民間薬としては、よもぎ風呂なども昔から知られています。さて、神経痛に限らず、痛みには体を暖めることがとても大切です。温泉療法などいいですね。
2014-10-13 00:00:00

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