江本薬局
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Vol.46「だるい・疲れやすい」


私たちは日常生活の中で、何かと疲れを感じるものです。しかし疲労が積み重なると、休息や睡眠では改善されず、倦怠感や不快感を伴い、そこからいろいろな病気に進むことも少なくありません。

最近は15~65歳の6割以上の人が日々、疲労感を自覚していると言われており、国民病のようになっていますが、この原因不明の疲労が6カ月以上続くと慢性疲労症候群と呼ばれます。単なる疲労の場合は2、3日ゆっくりと休めば回復しますが、休息してもだるさが取れないときには栄養不良や病気の可能性があります。

貧血、低血圧、糖尿病、軽いうつ病などが多く、時には肝炎や腎炎なども考えられます。また病気でなくても、虚弱体質であったり加齢からくる体力低下、神経性のもの、過度のストレスなどからもよく疲労感を強く感じます。

近年意外と多いのが、精神的な原因によるだるさで、食欲不振や頭痛、肩こり、腰痛など、さまざまな不調とともに、だるい、疲れると訴えますが特別な異常がないときには、不定愁訴症候群と呼んでいます。

実際、漢方相談に来られる方のほとんどが、問診カードの「疲れやすい」にチェックされています。治療法として、病院では、安定剤やビタミン剤になるようですが、漢方では、このような半健康状態に著しい効果のある薬方がたくさんあり、その人の体質によって処方されます。それでは代表的な漢方薬をご紹介しましょう。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)…手足がだるく、食欲不振で味がなく、少し多く食べると全身がだるくなって、眠くなるような人に。

清暑益気湯(せいしょえっきとう)…夏バテの代表薬で胃腸虚弱な人が暑さに負けてひどいだるさ、下痢、疲労などを訴える時に用います。

十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)…慢性病もしくは病み上がりで衰弱している人の体力回復に用います。日頃から顔色が悪く、意欲のない人にも向いています。

小建中湯(しょうけんちゅうとう)…胃腸が弱い人で特に朝が起きにくく、疲労がなかなか取れない時に。子どもでは腹痛や鼻血が出やすく疲れやすい場合に。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)…頭痛、肩こり、めまいなどを訴える冷え性の女性に。この他にもたくさんの薬方があります。専門家に相談してみてください。

さて、かく言う私も若い頃から胃腸虚弱で血圧が低く疲れやすい体質です。特に雨の前日や夏場は身の置き場がないほどだるさに悩まされてきました。慢性疲労の人の気持ちはよく分かります。

朝の目覚めがよいというのは健康のバロメーターです。その日の疲労はその日のうちに取れるように、よい入浴と睡眠を心掛けましょうね。
2015-02-16 00:00:00

Vol.45「腰痛症」


ぎっくり腰などから腰痛で長年悩まされ続けてきた人は多いのではないでしょうか? 昔から腰痛は老人の病気と言われてきましたが、最近は若い人たちにも増えてきています。

原因はいろいろで単なる骨(骨盤の上にある5つの腰椎)や、筋肉の異常から発生したとして扱う外科的なものだけでは十分とは言えません。風邪引きで腰痛を起こしたり肥満や冷え、胃十二指腸潰瘍、胆石、腎石ストレス性腰痛などもよく聞きます。

いずれにしても、腰部への血行障害が原因です。治療法として急性の場合は、慌てて病院へ行くより、とりあえず安静を保つ方が賢明です。ふわふわのベッドはいけません。堅めのせんべい布団の方が楽です。

また、マッサージや指圧などをしてはいけません。かえって悪化させます。数日間、痛む腰の筋肉を温め、ある程度おさまったら腰をゆっくりと曲げ伸ばしして固くなった筋肉をほぐすようにします。それでも痛みが取れないなら、病院などでけん引や温熱療法をしてもらいましょう。

腰痛が慢性化すると腰椎の椎間板ヘルニアに進行し、痛みしびれが強くなって、神経ブロック注射などの保存療法では間に合わず、手術を勧められます。しかし、完治するとは限りません。できるだけ早めの治療を心掛けましょう。

さて、漢方では全体像をとらえながら、さまざまな痛みに対して体の根本から治していきますが、この腰痛も例外ではありません。難治性の腰痛でも漢方薬で治ってしまった例はよくあります。それでは代表的な漢方薬をご紹介しましょう。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)…突発的にぎっくり腰になって耐え難いほどの痛みに鎮痛の目的によく用います。冷えの強い人には附子(ぶし)を加えて芍甘附子湯とします。

疎経活血湯(そけいかっけつとう)…運動や重い物を運ぶ仕事などで、腰に無理な力が加わり慢性的に繰り返す腰痛や足のしびれに。

八味地黄丸(はちみじおうがん)…体力がなく、腰から下に力が入らず、夜間尿などの排尿異常のある中高年以上の人の慢性腰痛に。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)…腰の部分に冷感を伴い、冷えると痛みが強くなり、お風呂などで温めると楽になるという腰痛に。

苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)…日頃から体力がなく、まるで水の中につかっているように腰から下が重く冷える人に。

近年パソコン等のデスクワークなどで長時間、同じ姿勢を続けることから腰痛を訴える人が多くなってきているようです。人類が直立歩行を始めてから、痔と腰痛は長い友達ですね。
2015-02-09 00:00:00

Vol.44「じんま疹」


食事の後に、急にみみず腫れのような非常にかゆい発疹が現れたり、かぜ薬の服用で全身がかゆくなったという経験をした人も多いのではないでしょうか?今回は、このじんま疹についてお話しします。

じんま疹は大変ポピュラーな病気ですが、なぜか若い人に多く、60歳以上での発症は少ない傾向があります。原因は、食べ物、薬物、汗、花粉、ペットの毛などの外因や寒冷、日光、金属などの肌への直接刺激によるものとさまざまです。また、最近はストレスからの心因性じんま疹も多くみられます。

さて、急性じんま疹は、全身の皮膚や粘膜に現れ、数日から一週間ぐらいで治りますが、慢性の場合は、症状は軽いながらも数カ月から数年にわたって発病を繰り返し、毎日体のどこかにできたり、ある時間だけできる、体のごく一部だけにできるという状態が続きます。

症状としては、急性、慢性ともに、かゆみを伴う膨疹で、形や大きさはいろいろです。円状、環状、みみず腫れ、地図様で時間とともに大きくなったり形が変わったりします。お腹や太もも、腕によくできますが、まれに頭や手足、唇などにも発症します。

治療法は、原因がアレルギー性のもので特定できれば、それを遠ざけることが第一ですが、慢性の場合は、ほとんど原因が分かっていませんので、やはり対症療法になります。ぬり薬はあまり効果がないので、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤の内服や注射が中心ですが、重症の時にはステロイドホルモン剤となります。しかし完治は難しく再発がほとんどです。

漢方では、一人ひとりの体質を考えてお薬を決めますが、一般的にじんま疹は水毒体質と見なして、水分代謝を促進する漢方を選びます。それでは漢方薬をご紹介します。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)…赤く隆起したかゆみの強いじんましんに。急性、慢性両方に最もよく用いられる。

小柴胡湯(しょうさいことう)…過敏体質で慢性化したじんま疹の体質改善。

香蘇散(こうそさん)…胃腸虚弱の人で、特に魚を食べて起こった時に。

消風散(しょうふうさん)…持続的で強いかゆみに。特に夜間にひどくなるじんま疹に。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)…冷たい風や冷水などによる寒冷じんま疹に。

桂枝麻黄各半湯(けいしまおうかくはんとう)…急性じんま疹でかゆみが強く発熱を伴うような時に。

じんま疹は誰にでもよく起こる病気で、サクラの樹皮(桜皮)やクヌギ(ドングリ)などの樹皮(樸ぼくそく)、シソの葉など身近な薬草が使われてきました。生活の知恵ですね。
2015-02-02 00:00:00

Vol.43「みずむし・たむし」


今回は、みずむし、たむしについてお話しします。

むずむしは白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が皮膚に寄生して起こる病気で、この菌はミカンや餅につくカビと同じ種類のものです。特に足の指の間や足の裏に発病しやすく「水虫」の言葉通り、湿り気の多い皮膚によく見られます。

また手足にできたものを「みずむし」、その他にできたものは「たむし」と呼びます。たむしは、股やお尻、脇の下、乳房の下などにできやすい「いんきんたむし」と、顔、腕、体にできやすい「ぜにたむし」があり、やはりかゆみがあって体が温もるとより強くなります。

症状としては、特に足の指の間の水胞性みずむしは、かいてもかいても収まらない程のかゆみが主で、ひどくなると水疱状から丘疹性になり、かゆさに痛みも加わります。また細菌感染からも化膿し、リンパ腺炎を起こすこともあります。

治療法は、やはり患部を清潔に保ち、乾燥させて風通しをよくすることが大切です。その上で根気よく抗白癬菌剤を塗り続けます。普通は、2~3カ月でよくなりますが、症状が軽くなってもすぐやめず気長に続けることが肝心です。

また、かかとによく発症する角化型や爪みずむしには、グリセオフルビンという内服薬を数カ月から1年くらい服用します。いずれにしてもなかなか根治しない難しい病気ですが、塗り薬にぜひ漢方薬を併用してみてください。

漢方では全身症状を考えながら治療するので、卓効を現すことも少なくありません。それではよく効く漢方薬をご紹介します。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)…患部がジュクジュクして、かゆみが強く化膿している時に。

越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)…汗かきの人で慢性的に患部が湿潤している時に。

温清飲(うんせいいん)…体質的に皮膚が弱く、患部が赤く充血し、熱を持ってかゆい時に。

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)…特に股のたむしで赤発かゆみが甚だしい時に。

紫雲膏(しうんこう)…華岡青州がつくった漢方軟膏で、みずむし以外にもほとんどの皮膚病に用います。この他、民間療法としてクマ笹やシソ葉、アロエなどがよく知られています。

みずむしの感染源は、大衆浴場や温泉旅館の大浴場などの人が集まる所のマットやスリッパが多いと言われています。お風呂上がりには足をよく乾かしてから手入れしておきましょう。女性に限らず足のきれいな人は、清潔感がありますね。
2015-01-26 00:00:00

Vol.42「躁うつ病」


先日テレビで若い人に「新型うつ病」が多くなったことが報道されていました。過保護に育てられ、心の力が弱くて、上司からのちょっとした注意に気持ちが折れて「うつ病」になってしまうそうです。さらに、引きこもりなどの心の病気も随分と問題になっています。今回はこの「躁うつ病」についてお話しします。

躁うつ病はだいたい、50歳位以上の人に多く、職場や家庭での強いストレス、子どもの自立や親しい人の死、人生の目的を見失ってしまったことなどからよく発症しています。性格的に、几帳面で完璧主義の人に多いようです。

躁状態では、気分が高揚して口数が多くなり、しゃべるのをやめようとせず興奮して夜も眠ろうとしません。感情が抑えられなくなってしまうのです。

しかし、うつ状態になると食欲や性欲もわかず疲れやすくなり、気が滅入って何もしたくなくなります。ひどくなると虚無的な気持ちになり、真剣に自殺を考えるようにもなります。

周囲の人は、励ますばかりでは、かえって逆効果だと知らなければなりません。温かく心に入り込み、うつは病気であること、必ず治ることを自覚させ、希望を持たせたり、慰めたりするような接し方が大切です。

現在、治療は対症療法で、抗うつ薬、精神安定剤、睡眠薬、食欲増進剤などが主に使われ、本人の不安感や不眠などに効果が見られますが、時間をかけてのカウンセリング療法も必要です。

東洋医学では、この心と体の両面に効く漢方が昔から多数、処方されています。ぜひ併用してみてください。それでは、代表的な漢方薬をご紹介します。

甘麦大棗湯(かんぱくたいそうとう)…理由もなく悲しんだり、怒ったりし、不眠や動悸、胃のもたれなどをよく訴える人に。最もよく用いられます。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)…神経衰弱、ヒステリー、ノイローゼ、血の道症、うつ病などで気分がふさいで、のどのつかえを訴える人に。

加味帰脾湯(かみきひとう)…貧血気味で心配事が多く、不眠、健忘症、動悸、息切れに。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)…不安感が強く、特に動悸。のぼせ、イライラ、不眠などの不安神経症、対人恐怖症、強迫神経症に。

他に、香蘇散(こうそさん)、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)などがあります。

昔から躁うつ病は、病気や孤独な生活などから年齢が上がるほど増える心の病とされてきましたが、最近は若い人にも多く発病するようになってきています。

体に栄養がいるように、心にも喜びや安らぎ、希望が必要です。人にも自分にも思いやる心が大切ですね。
2015-01-19 00:00:00

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